第20話 ダリーワの神殿で転職した!

「コドージ殿、じつは私、転職をしたいのですが……」


 ジュポングを出発した直後、シコルが藪から棒にそんなことを言い出した。


 は? 転職??


 転職も何も、そもそもお前、無職みたいなものだろう。そう言いかけて、俺は思いとどまった。


「聞くところによるとヤーラシア大陸の奥深く、ヒマダナ山脈の麓に転職することができるというダリーワの神殿があるそうです」


 シコルの言い分は、これからますます過酷になるであろうメスガキのわからせ旅に備えて、賢者への転職を果たしたいのだという。


 それは中々に殊勝な心がけだが、もし仮にお前が賢者になったとしても戦力的には大して変わらないと思うけどな。


「賢者になれば使える魔法が増えるのですよ。例えば『テンガロン』などは賢者にしか使えない究極魔法です」


 『テンガロン』とは、自分の命と引き換えにメスガキをわからせることができる魔法なのだという。


 いや、それ意味あるの? メスガキをわからせることができるなら死んだっていいってか。


「あぁ、なんと崇高で自己犠牲に溢れる魔法なのでしょうか!」


 シコルが天を仰いで自己陶酔気味に語っている。


「いつかはこの命を捧げても惜しくはない、そんな至高のメスガキと出会ってみたいものです」


 そ、そーすか。相変わらず、清々しいまでのイカれっぷりだ。


 そんなわけで俺たちは、転職したいというシコルのたっての願いでダリーワの神殿へとやってきた。


「はぁ? 転職したい?? ねぇ、転職って意味知ってる?♡ 転職ってのは、仕事してる人がするものなの♡ でもお前ら氷河期ってみんな無職だろ♡」


 神殿の神官だという女の子に転職について尋ねると、のっけからそんな言葉で煽ってきた。


 栗色の長い髪をした神官の年齢は恐らくJC1くらいだろうか。小柄な身体に露出度の高い挑発的な神官服を纏っているため、そのつるぺたっぷりがよく窺い知れる。じつにわからせ心をくすぐってくる、匂い立つようなメスガキだ。


「し、神官殿! わ、私を賢者にしてください!」


 好みに突き刺さったのか、目の色を変えたシコルがメスガキ神官に縋りつくような勢いで転職を頼み込んだ。


「賢者になりたい?♡ ウケる~♡ つーかお前、いつも一人でになってんじゃねーの♡ きゃはは♡」


 メスガキ神官が蔑んだ笑みを浮かべてシコルを煽った。


「そんなになりたいんだったら、ここであたしが見ててやるから賢者になってみろよ♡」

「うっ、そ、それは……」

「何なら特別にあたしがオカズになってやるから♡」


 メスガキ神官はおもむろにしゃがむとM字開脚になった。ムレッムレなピンク色のおパンツがもろに視界に飛び込んでくる。


「うおおおおおおおおおおおおっ!!!」


 シコルの中で何かが弾け飛んだようで、俺たちの目の前にもかかわらずおっ始めやがった。それにつられてヤライソまでがやり始める。


 まったく、こいつらときたら……。


「うわっ、本当に始めやがった♡ きんもっ♡ つーか、もう何か出てるし♡」


 メスガキ神官のM字開脚を前に、何とシコルとヤライソは開始からわずか数秒で果ててしまったのだった。


「おいおい、マジかよ♡ もう終わりとか、二人ともざこ過ぎでしょ♡ でもまぁ、これで賢者になれたじゃん♡ きゃははははは♡」


 確かに二人ともすっかり賢者に成り果てて、力なく横たわっている有り様だ。


 これまで何度も俺のおこぼれにあずかって色々なメスガキどもをわからせてきたはずなのに、このザマとは何とも情けない。これにはさすがに俺もがっかりだぞ。


「で、そこのおじさんはどーすんの?♡ やるの?♡ やらないの?♡」


 メスガキ神官が今度は俺に対して挑発してきた。さらに、淫靡と侮蔑をない交ぜた笑みを浮かべながら両手でおパンツをすぼめていく。


 限界ギリギリまでおパンツがすぼめられたM字開脚の破壊力に、さすがの俺も目眩がしてふらついてくる。これなら二人がすぐに果ててしまうのも無理はないか。


 だが、これしきのことで果てるようでは氷河期おじさんとしての沽券に、いや、股間に関わるってもんだ!


「あれれ~?♡ おじさんもあたしの見ておっきしちゃってるけど~♡ でもな~んにもできないざこなんだろ~♡ きゃはははは♡」


 あ? 今ざこっつったか?? なら見せてやろう、氷河期おじさんの本気というやつを!


 俺は《わからせ棒》を使った。


「え? 何するつもり? 一人でやるんじゃないの? やだ……、そんなの絶対無理だし! やだやだやだあああ……こほぉお゛お゛お゛」


 俺は《わからせ棒》を使った。


「い゛っ、あ゛っ、んあ゛っ……、あっ♡ あっ♡ あんっ♡ んあっ♡ おッ♡ う、うそ……、何これ? はんッ♡ ひっ♡ あひッ♡ んッ♡ いい♡」


 俺は《わからせ棒》を使った。


「お゛んっ♡ はッ♡ はうっ♡ ひッ♡ あんっ♡ ひッ♡ すっごくいい♡ あ゛っ♡ お゛っ♡ ん゛あッ♡ だ、だめ……、あ゛ひっ♡ どうにかなっちゃいそう♡ はッ♡ はひッ♡ ん゛おっ♡ あ゛っ♡ はあああああ♡」


 こうして俺は、舐め腐ったメスガキ神官を足腰立たなくなるまで徹底的にわからせてやった。


「へぇ♡ 氷河期おじさんの分際でなかなかやるじゃん♡ ねぇねぇ、勇者なんか辞めて、あたしのパパになりなよ♡」


 メスガキ神官がまた物欲しそうな顔をしながら、俺にパパへの転職を迫ってきた。

 

 この前のメスガキ姉妹からもパパになってくれと頼まれたが、こっちはまた別の意味のパパってことなのだろう。もちろん、その申し出はきっぱりと断った。


「それじゃあ、あたしが転職しようかしら。遊び人って確か賢者へと転職できるのよね? だったらあたしを賢者にしてよ」


 これまで大人しかったトヨーコが唐突にそんなことを言い出した。


「はぁ? お前みたいな売れ残りのババアが賢者になんかなれるわけねーだろ♡ 死ぬまで遊び人やってろ♡ きゃははははは♡」


 メスガキ神官が腹を抱えて笑い転げた。


 ちょ、ばか! この女を怒らせたらガチでマズいぞと思ったが時すでに遅しだった。俯いたトヨーコからどす黒い瘴気のようなものが立ち上る。


「……ふふふ。そう、それなら転職できるかどうか、その身体にで聞いてみるわ」


 トヨーコはメスガキ神官に《拳》をつかった。


「えっ? ちょ、そ、それをどうするつもり?? ま、まさか!? やだ、ねぇ、やめて! お願いだから! やだやだやだ……くふぉお゛お゛お゛お゛お゛」


 トヨーコはメスガキ神官に《拳》を使った。


「お゛ん゛っ、ん゛あッ、お゛うっ、や、やだ……、やめて、あ゛ひっ、はう゛っ、え!? そ、そこはダメ! 絶対イヤ! お゛う゛っ お゛っ、お願いだからやめて……※□◎×△Σ@〆!?」


 トヨーコはメスガキ神官に《拳》を使った。


「い゛い゛い゛い゛い゛……、お゛ほっ、お゛っふ、お゛んっ、あ゛へっ、ん゛おっ、やだ、壊れちゃう……、あ゛っ、ふぉお゛、あ゛がっ、お゛う゛っ、壊れちゃう! ひやぁあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」


 メスガキ神官はトヨーコの拳によって、別の意味で徹底的にわからせられた。


「どう? これでもまだ転職できないっていうのかしら??」

「ふえっ……、ひっぐ。ご、ごめんなひゃい。転職ひまひゅ、どうかさせてくだひゃい。だ、だから……その、もっとアレくだひゃい♡」


 アへ顔のメスガキ神官はトヨーコにさらなる拳をおねだりした。どうやら新たな境地に目覚めてしまったようだ。

 

 おいおい、俺のわからせよりも効果があるってどういうことだよ……。


 こうしてトヨーコは、賢者ではなく拳者けんじゃへの転職を果たしたのだった。

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