カノジョは私だけ

第話

《４月2２日》

　なんと！　この私に彼氏ができちゃいました！

　去年からよく一緒にいるしやっぱり意識しちゃうよね。

　ダメ元で告白したらまさかの成功！

　彼も前から私に好意を抱いていたらしくて、もー最高すぎ。

　これから毎日イチャイチャしちゃいまーす！！！　ぶいぶい。

《5月24日》

　一ヶ月経っても好きだ止まらないよ！

　でもね、でもね。最近彼君に卑しく近づいてくる不埒な女（やつ）がいるんだ……。

　そりゃ、互いに恥ずかしいから付き合ってることは公言してないから、知らない人がいるのは当然なんだけど──だからと言ってあんなにベタベタしていいわけない！

　彼くんは私のものなんだから、話さないで欲しいねッ！

《6月7日》

　やっっっっと手を繋げた！

　ここまで来るのにどれ掛かったことか……ヨヨヨ。でも、嬉しいな。

　なんか前まで彼につき纏ってた女（やつ）を見なくなった気がする。

　いなくなったのは済々するけど、逆に怪しく感じたり感じなかったり。

《7月1日》

　彼が一人暮らしだってことを初めて知った。

　ということは──既成事実を作る絶好のチャンスでは！？！？　いやっほい！

　いやーあれやこれやと妄想……将来設計が捗りますなあ。

《7月15日》

　最近彼が怪しいような気がするの。

　今まで通り手を繋いでくれるしほぼ毎日通話してくれるんだけどね。

　今度鎌かけてみよーかな。念のために。

　まぁ、今一緒にいるのは私だし手放すことなんてないよね。

《7月22日》

　鎌かけるだけだったのに、メッセージの履歴まで見れちゃった。

　結果は──真っ黒。明るい部分なんて一切なかった。ははは。

　でも彼はなーんにも悪くないから。全部アイツが悪いんだ。

《7月24日》

　今日から夏休み！

　ということはー？？？　彼の家に泊まりこみしまーす。

　あの女のところになんて行かせないからね？？？

《7月29日》

　たしか今日は祭りがあったはず。

　でも行かせるわけないよね。だってアイツに会うかもしれないんだし。

《■月■日》

　はなさないよ。

　はなさないでね。