第21話 エピローグ
薄暗い研究室でひとりの博士がテレビを眺めている。
たった今、美琴が流動人間を相手に勝利をしたところだ。
彼は試合場で超小型の飛行カメラで試合を観察し続けていた。
深々と椅子に腰かけ仏頂面のまま、盛大にため息を吐き出す。
頭の両側頭部に残った頭髪は見事に白くなり、右目はスコープになっている。
両腕は便利さを追求した結果マジックハンドに改造し、両足もキャタピラだ。
身体の半分以上を機械化した奇怪な老博士の名前はハゲピカ=チビボテ博士。
彼は怒りで燃えた目でテレビを睨み、白髭を逆立てた。
「ワシの流動人間を破壊するとは、おのれスター流! 天才のワシの発明品が!
アレを使って世界を支配したかったのに、計画が破綻した!
だが、結果としてワシの天才的頭脳が証明できたからよしとしよう。
何がスター流じゃ!
お前らは遥か遠くのエデン星人じゃろうが! 部外者が我が物顔で地球を守るな!
お前たちがいてはワシの地球支配計画が進まんじゃろうがい!
じゃが、この借り――いつか返してやるから楽しみにしておくのじゃよ」
金歯で補強された歯を剥き出しにした不気味な笑みが博士の顔に広がった。
おしまい。
流動人間 モンブラン博士 @maronn777
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