第4話 スターの逃避

スターは頭をかいて優しい笑顔はそのままに答えた。


「わたしは流派の会長で君たちの師匠だからねえ。わたしが前に出すぎると君たちの成長のためにならないと思っているのだよ。それに今回の相手なら何とかなるはずだよ」

「では、どうにもならなかった場合は出撃するのだな?」


不動は口角を上げた。挑発的な笑みにもスターは動じない。


「今回はジャドウ君も参戦するからわたしの出番はないよ」


唐突に話を振られたジャドウは面食らったものの、すぐに片膝を立てた騎士風の礼をもって応えた。


「なんというありがたいお言葉! 偉大なるスター様のご命令とあらばこの不肖ジャドウ=グレイ、必ずや敵を討伐してごらんにいれましょう」

「いい返事だね。君たち三人で力を合わせれば必ず倒せるよ。それじゃあ、わたしは話題のアイスクリーム店に行ってくるよ。ハハハハハハハハ……」

「待てっ」


不動が手を伸ばすよりも早く指を鳴らしたスターは高笑いだけを残して消えてしまった。

会長が不在の机を叩き、不動は怒りを剥き出しにした。


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