第1部おさらい編

登場人物&用語紹介

 第1部をご覧いただきありがとうございます。


 第2部の開始に先立ち、第1部の内容などを軽く振り返れるように登場人物、および伏線や用語を解説いたします。


 これを読んでおけば第2部がより楽しめる……かもしれません!


 当然ネタバレが激しいので、第1部未読の方はご注意ください。


■登場人物


・ルカ/胴枯ルカ/ブライト


 第1部の主人公。全員同一人物。本名は胴枯ルカ。

 その正体は、20年前に政府組織『異常空間特別捜査係』――ASSISTに属していた女子高生であり、迷宮教の教祖ブライト。


 20年前に自らが所属していたASSISTを壊滅させ、『大変革』を起こして日本や世界にダンジョンを溢れさせた人類史上最悪の犯罪者。

 以降は『迷宮教』の教祖ブライトとして生きてきたが、『大変革』の2度目の実行に対して、本当に世界中をダンジョン化させて良いのかどうか迷いを抱くようになっていく。


 そのため、とある迷宮教の非公開ダンジョンにて、セイジの前に記憶と能力を失い、肉体年齢も若返った状態で姿を現す。

 ブライトとしての記憶を取り戻せるかどうかは賭けだったが、賭けに負けて死ぬor記憶を取り戻さないまま生きていくのもアリだと思っていたようだ。


 セイジと生活していた頃の「ルカ」の人格は、より素に近い胴枯ルカの人格であり、明るく前向きな性格だった。


 アシストフォース『ダンジョンルーラー』を持つ。能力は「5階層に入った時点で、ダンジョンのすべてを自在に操作できるようになる」というもの。


 その能力に限界はないらしく、「ダンジョンの外観を変化させる」「現実世界の任意の場所にダンジョンを生み出す」「ダンジョンの構造を変化させる」「ダンジョン内にいる人間の年齢・記憶を操作する」など、本当にあらゆる操作を行えてしまう。


 記憶を失ったルカが使用したアシストフォース『強制攻略』は、この『ダンジョンルーラー』が持つ無数の力のうちのほんの一部でしかない。


 20年前、胴枯ルカはその能力を用いて1度目の『大変革』を行い、世界中にダンジョンが生まれるようにしたが、これは世界中をダンジョン化させるつもりだったのが失敗した結果。

 数々の経験を経て力を強めた彼女は今、本当の『大変革』が行える状態にあるらしい。



・神凪セイジ


 第1部のもう1人の主人公。

 20年前、ルカと同様ASSISTに所属していた男。そのため、ASSISTがルカに壊滅させられたこと、彼女がその後『大変革』を行ったこと、『迷宮教』に入りブライトと名乗っていたことなどをすべて知っていた。


 当時からルカとは深い縁があったらしく、彼女がブライトであると知っていながら記憶喪失の彼女を保護し、共に生活していた。

 彼女が記憶を取り戻すこと(=ブライトに戻ること)を危惧している一方でルカの意思を尊重しようとも考えていたため、結果的にブライトの復活を招いてしまった。


 日本で唯一の『S級解体人』であり、ダンジョンにおける戦闘能力は人類最高峰。

 とはいえ、過去のルカの暴走によりASSISTを壊滅させられた経験に加え、以降の人生の中でも救えなかった人間は多いようだ。

 ちなみにルカと出会った当初に襲われていた男性を見捨てたのは、「目の前に当時の姿、かつ記憶を失っているルカがいて混乱していた」「そもそも襲われているのが迷宮教の信者」「彼がすでに致命傷を受けていた」といった要因から。


 アシストフォース『弾丸発射』を持つ。能力は頭の中で思い描いた弾丸を自由に射出するというもの。

 おおよそ弾丸と呼べるものであれば非実在のものや概念的なものでもなんでも撃ち出すことができ、「回復弾」「氷結弾」などのほぼ魔法に近いものも撃てる。


 ただし、撃てば撃つほど指先から黒く変色していくというデメリットがあり、手全体が黒くなると、時間経過で元に戻るまで弾丸を撃てなくなる。

 「回復弾」などの回復系能力、「消失弾」などの威力の高い弾丸を撃つとより変色が早まる。

 とはいえ、手が完全に黒くなるのはほとんどの場合3階層までで、4階層以降は回復速度が上昇してほとんどデメリット無しに撃ち続けることができてしまう。



・キョウヤ


 セイジがルカのダンジョン解体人免許を取得するために電話をかけていた人物。

 口ぶりからしてセイジの知り合いであり、おそらくASSISTに属していた生き残り。



・白虎


 胡散臭すぎる情報屋。「ルカ」の名を聞いてもピンと来ていなかったあたり、ASSISTについてはほとんど知らないようだ。



■用語集


・ASSIST


 20年前に存在していた国の組織。正式名称は「異常空間特別捜査係」。セイジ、ルカが所属していた。

 ダンジョンの管理を行っていた組織らしく、ダンジョンを崇める迷宮教と敵対していた。

 最終的にルカによって壊滅させられてしまい、現在は存在していない。



・迷宮教


 20年前から存在している謎の宗教。

 ダンジョンとは神から与えられた聖地であり、真に人類が住むべき場所。

 ダンジョンに適応した人類は新たな人類であり、崇めるべき存在。かつ、自分たちもそうなるべきだと考えている。

 ワクチンによってアシストフォースを使えるようになった人間のことはあまり認めていないらしい。

 非適合者を無理矢理ダンジョンに連れ込んで「試練」と称してモンスターに襲わせるなど、過激な行動も目立つ。



・ダンジョン(異常空間)


 リミナルスペース風の正体不明の空間のこと。必ず5階層になっていて、モンスターが中におり、そのダンジョンの主を倒すと消滅する。

 世界中のどこにでもランダムに現れてしまう上に、元あった空間を上書きするように現れるので、解体しなければそこにあった空間は利用できなくなる。


 内部には怪生物モンスターが徘徊しており、未知のウイルスを所持している。

 ウイルスに適合するとアシストフォースを使えるようになるが、適合できないと死ぬ。



・アシストフォース


 ダンジョンに適合した人間がダンジョン内で使えるようになる異能力のこと。

 作中描写されているルカとセイジの能力がどちらも規格外のため分かりづらいが、本来そこまで強力ではなく、通常は5,6人でダンジョンに入らなければダンジョンを攻略することは難しい。

 人によって発現する能力が完全にランダム。この世界で軍や組織立ったダンジョン解体ができない要因の1つとして、「使える能力が人それぞれ違いすぎるから、組織としての運用が難しい」というものもあるだろう。


 この世界のどこかでは、「お前のアシストフォース無能なんだよ!」とパーティーから追放されているダンジョン解体人もいるのかもしれない。追放した側のパーティーがざまぁ展開になっているのかもしれない。



・『大変革』

 胴枯ルカが、自らのアシストフォース『ダンジョンルーラー』を用いて世界中を飲み込む巨大ダンジョンを作ろうとした事件のこと。

 1度目の『大変革』は失敗したものの、結果として世界中にダンジョンが大量発生することに繋がった。

 迷宮教、および胴枯ルカの目的は2度目の『大変革』によって世界中をダンジョン化させること。



■Q&A


Q:どうしてセイジはルカを保護した?

A:ASSIST時代に知り合いだった――以上の深い関係があったらしい。


Q:『ブライト』って何なの?

A:ルカの本名、胴枯ルカから来ている偽名。植物がかかる病気『胴枯病』のことを英語でBlightと呼ぶ。そこからルカが名乗るようになった。


Q:最初のダンジョンにいた殺された人は何? ダンジョンは1度に1グループしか進入禁止じゃないの?

A:セイジとルカが再会したあのダンジョンは迷宮教が根城にしていた未発見ダンジョン。管理されていないため、迷宮教の信者が2階層にもいた。

 その時点で、ブライトによる迷宮教の粛清が始まっていたので、信者たちは皆殺されていた。


Q:なんでルカはASSISTを壊滅させたの? なんか嫌なことでもあったの?

Q:なんでルカは迷宮教の教祖になってるの? そしてなんで迷宮教も壊滅させたの?

Q:20年間セイジとルカは何をしていたの?

Q:そもそもセイジとルカって知り合いだったの? どういう関係だったの?

Q:セイジはルカを保護してどうしたかったの?

Q:ルカは結局何がしたいの? なんか辛そうだったけど?


A,――これらの疑問は、第2部をお待ちください!


 なお、こちらの用語集やQ&Aは、読者の皆様からの質問コメントがあれば追加されていく場合がございます。


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