匿名犯罪者

学生作家志望

誹謗中傷

ほんの遊び心だった。最初は親すら知らなかったあの動画が、何者かによって拡散され、親どころか全国へ広がり、「批判」のターゲットとなった。誰もがあのバイト中にふざける動画を見て嫌な気持ちになったんだろう。


後で見返してみれば確かにあの時の自分達はどうかしていたと思う。まあ今更、やばいことをしてしまった、反省している。みたいなことを言ったってもう高校の退学も覆らないだろうし、ネットからの批判も止まらないのはこの目で見ずとも容易に想像できる。


でもよく考えてみれば…、嫌、絶対におかしいと思う。今回の炎上の原因である俺が言うのも変かもしれないが、あまりにも批判が多すぎると最近、思っている。だって変じゃないか?確かにやったことはやばいことだ。でもそもそも俺も周りの友達ももう既に深く反省しているのだ。


なのに、なのに。最初は「説教」だと思っていたものが今やただの「誹謗中傷」じゃねえか!批判は学びだと思っていたのに、最近はネットだけでなく家に暴言が大量に書かれた紙が送られたり、まったく関係のない小学校や中学校まで特定されて、その時関係のあった人まで嫌がらせを受けるようになってしまった。


できるならば今すぐにでも復讐をしたい。だが、それをする方法はどこにもない。暴言と嫌がらせをするだけして、本人は特定されないようにアカウントを消したりしてあっさり逃げる。


はあ…、俺は暗い部屋の中、今日も家に届いていた紙を握りつぶしてストレス発散をした。

俺にはこれしかできない。


入れる高校はないし、親も自殺したし、これからどうやって生きていこうか。社会は俺を支援してくれるのだろうか。


ああ…、お腹減ったな。ああ…、もうやめてくれよ、、


悲しいのに涙もまともに出なくなってしまったようだ。


許してくれよ。もう俺はとっくに死んでんだよ…

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

匿名犯罪者 学生作家志望 @kokoa555

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ