第3話 拾われた果実
「魔帝の魔眼……?」
『まあ、そのうちわかりますよ』
笑顔のままそう返される。女神様は気を取り直して、とでも言うように
『では!
旅と運命の女神、カルティアナの名に
全身が神々しい光に包まれる。
「っ____……?」
何か変わってるって気はしないけれど、あの素晴らしいカードの効果が女神様の力によって付与されたらしい。
『はい、付与は終わったので、効果は転生後に現れますよ。それでは、
有り難う御座いました!!』
「へっ!? きゃぁあ!!!?」
謎の空間に吸い込まれる。
なんだか……不安と楽しみが入り混じって気持ち悪さすら感じる。……いや目が回るのも込みで、ですかね。
だが、ほんとにワクワクしている自分がいる。
さあ、私の異世界生活、一体どうなるのでしょ
『ああ! 忘れないでください。貴方が旅する異世界は、』
?
『
「へ? …………_______」
それから私の意識は光りに包まれ、霞がかって消えた。
◇
〝
そう頭に響いて、私は目を開けた。
その言葉、
それから葉の揺れぶつかる音が渡って、自分の寝ていた場所が森だと理解した。
「……ぁ………」
「あれ」と声を出したつもりだった。
「ぁうっ!?」
母音しか発せないことに気付いた。
「……」
______なぜ。
慌てて周りを見渡していた視線を自身に戻し、お腹の方に目を向けた。
「……………………ぇ………?」
視界に入ってきたのはまさかの布。まさかの
「ぅ〜〜う……!!」
私は騒ぎ立て、四肢をジタバタさせてなんとか立ち上がろうとする。
そのような行為自体、軽率だと気づいたのはその直後。
こんな無防備で、魔法も使えそうにない赤子が世界観のわからない異世界の森で騒ぐなんて。……もうお気付きですよね?
自殺行為でしかないということに。
____ガサッ
「……っ」
やっぱり不味かったのか、そうしていると足音が聞こえて、私は動きを止めて、まだ未熟かつ未発達であろう五感を働かせる。
サクサク、と草を踏み歩く心地よい音。子守歌のように一定でなる杖の金具の触れ合う音。
「天の
おっとホントの子守歌。
こんなの、こんな音、目が
◇
次に目を覚ましたのは、木の匂いが優しく香る木洩れ陽とは違った明るさを
「その子が?」
「ええ! かわいいでしょう?」
「まったく……ホイホイ拾って来るんですから……」
「これだから主殿の悪癖は……勘弁願いたい……」
話し声が聞こえて意識が湧き上がった。
眩しさに目を再び瞑り、少しずつ慣らす努力をする。
「………ぅ」
「あら〜〜〜! おはよう♡」
眠りに着く前に聞こえてきた歌声の主が私を覗く。
白銀の
「あなたは今日からウチの子ね♡」
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