24話 …は意外な人
「『え?』って言われてもなぁ、…あの人も老けたとはいえ、顔見りゃわかんだろ。」
SSランクは人間には世界で二人しかいない。だからこそ、冒険者ならば一目見ればわかるのだ。
僕は、よほど焦っていたのだろうか全く分からなかった。
…ずいぶん前に見たパンフレットでは最初の見開き1ページを二人の紹介に使っていたな。
「そうですよね…確かに【剣神】さんだったと思います。」
SSランクの二人にはそれぞれ【大賢者】と【剣神】という二つ名がついている。そのため冒険者の間では本名ではなく二つ名で彼らのことを話す。褒めるためだとかいう理由だった気がするが、詳しくは覚えていない。
「おいお前大丈夫か?杖持ってったんだから【大賢者】様に決まってんだろ。早く休んだ方がいいんじゃねーか?別にお前が心配したところでこれ以上状況が変わる訳でもねーしな。」
「そうですよね…失礼しました。」
「おうよ。」
初対面の人との対話で緊張していたのか、はたまた疲れが溜まっていたからなのかはわからないが。頭が働かないので、このまま宿までまっすぐ帰ろう。
「(トミイクさん、明日の朝にお時間よろしいでしょうか。)」
「ん?別にいいけど、急に改まってどうしたんだ?」
「(伝えなければならないことがあるので。)」
ラミィはいつも、丁寧だがどこか親しい雰囲気の出る言葉を選んでいる。しかし今回はどこか無機質だ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます