sideフエム 二つ名
トミイクたちが撤退してから暫く経つが、対峙する両者は一歩も動いていない。
「なぁ、あんたは俺の事を知っているのか?」
フエムが幻像狐に尋ねる。
「ああ、Sランク冒険者だろう。この辺りで唯一強そうだったから調べさせてもらった。だか、sランクでは我々には勝てない。」
そう言う狐の表情には余裕があった。
「だがあんた、一つ見落としちまったなぁ……俺には二つ名があるぜ。」
「それがどうした。」
「本来、二つ名はSランクごときにはつかない。ただ、俺は特殊でな、他のSランクのやつは欠点をとことん無くしたから大抵のことなら何でもできる、だからSランクと呼ばれる。けど俺は違う、炎、熱、振動…まぁ何でもいいがそれを極限まで極めた。」
「結局何が言いたい。」
自慢話を戦場に持ち込んだことに起こったのか、前置きが長く癪に触ったのかはわからないが、幻像狐が話に入り込んだ。
「……俺は…最強だ!」
フエムは一瞬だけはにかむと、同時に後方で爆発を起こしその爆風で幻像狐に肉薄する。
「なっ!」
幻像狐の左前足に切り傷ができる。
幻像狐は本来、相手に幻を見せて、相手の攻撃を回避してから鋭い前足で切りつけるという戦い方をするが、フエムが速すぎるゆえに回避ができなかった。
「さぁ、楽しませてくれよ。」
フエムは先程の戦いの数倍の速さ、強さで動く。幻像狐も負けじと、自身の
戦いの行方はまだ誰にもわからない。
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