10話 危機を救って

 オーシャンウィーゼルを倒したことを信じてもらえず(死体は既になくなっていた)。特別措置もなく。2回連続失敗したという判定になってしまった。3回連続で依頼を失敗すると、ランクが下がってしまうので、気を引き締めて次の依頼に望もうと思う。



 Fランク『解毒球根の納品』



 納品系の依頼は儲からないかわりに失敗しにくいという特色があるので、この依頼を選んだ。


 ちなみに、解毒球根は見つけやすい植物のため量を確保しやすく、需要が高いから毎日依頼があり、高ランクの冒険者も時々受けるらしい。

 

 閑話休題


 早速近くの山(山地に自生してることが多い)に行こうと思う。


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「…よし、これで3個目」


「なあトミイク、解毒球根全然みつからないんだけど大丈夫か?」


「(情報よりも見つかりにくいですね。)」


 入山してから半日たったが、解毒球根が見つからない。


 僕のランクのこともそうだが、解毒球根は解毒剤を作るだけでなく、傷を瞬時に治せる回復薬や、風邪薬の素に使われたりするため、需要が高い。


 しかし採取量が減るとなると、人類全体に関わる問題だ。


 原因だけでも突き止めることができれば…


 「うわぁぁぁぁぁぁぁ」


 不意にそう遠くない場所から悲鳴が上がる。


「二人とも」


「ええ(はい)!」


 解毒球根が採れない原因か、それとも別の何かかはわからない。でも、困っている人がいるなら


「助けにいこう」

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