1話 一匹目の仲間

 薬草を10個引き抜き、肩にスモールレッサースライムをのせて冒険者ギルドに納品しに街に帰ると、


「そのスモールレッサースライムはテイムしてきたのですか?」


 と受付で聞かれた、勿論だが剣士として登録してあるので、周りから見たら魔物を連れてきたヤバい奴だ。一応テイムしたことに肯定しておくと…


「それなら、職業をテイマーにしましょうか?あまりオススメはできませんが…」


「なぜおすすめできなんですか?」


 他の職業と大差がないように思えたのだ。すると、受付嬢が淡々と語りはじめた。


 「まずテイマー以外に本人の力をあまり使わない職業に、召喚士と精霊魔法使いがあります。しかしこの3つの職業には大きな違いがありまして、元々の従魔テイムモンスターの力をそのまま使うか0から配下を生み出すかの違いがあり、テイマーは前者です、ですから前向きに捉えると大器晩成ですね。一方で後者はもとから強い味方がいることが多いため即戦力になったり繰り返し使えたりできます。」


 「テイマーのほうが、従魔が強くなるのに時間がかかる上に一匹の強いモンスターをテイムしようとすると膨大な時間を費やしてしまうということですか?」


 いや、テイマー厳しくね?


「はい、あとテイムした魔物への餌代や場所代や宿代なんかもかかるので、出費が他の職業より高くなります、その点召喚士と精霊魔法使いは魔法で出し入れができるので出費は抑えられますね。」


 もっと厳しくね?…いや待てよ?


「なにか質問はありますか。」


「テイマーのメリットはありますか?」


この質問に対する回答によってはテイマーを諦めなければなら…


…いや、テイマーになることは変えないけど。


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