第8話 双子の意思は尊重すべき!
「流石はご主人様かしら!あのリヴィを従わせてしまうなんて。ますます惚れるかしら~。」
「あれを従えたと言っていいのか分からないけどね。ルル、次は何処に向かうの?」
「後はベルカ様とノワール様ですから、一先ず書庫を目指しましょうか。そこに司書でありますノワール様がいらっしゃいますわ。」
書庫と言うのは地下にあるらしく、道のりは地味に長かった。長い廊下を抜けて、螺旋階段を下って...いや、本当にこの建物は広いな。
「ところでペペとルルってどんな種族なの?」
「はい?種族ですか?」
「あらあら...ご主人様~?今のは口説き文句としては残念過ぎるかしら~?」
「いやいや!変なつもりとかは無いよ?ただ、暗い道で会話が途切れるのは不安と言うか...何と言うか?」
私の慌てっぷりにペペとルルは顔を見合せて、クスクスと笑った後、再びゆっくりと歩きながら語り出す。
「別に隠していた訳ではないかしら。ただ特別に面白いかと言われればそうでもなくて、ご主人様は半獣みたいな言葉は知っているかしら?」
「え~っと確か半分が獣で半分が人間みたいな感じだっけ?ミノタウロスとかが想像できるけど。」
「そうですわね。その認識で合っていると思います。つまり私達もそれと同じ...
だから中途半端なんですけどね。と言ったルルの表情は少し悲しげであった。まぁ半端な物が何かしらの弊害を受けるってのは何処も同じなのかな?
「ご主人様がそんな悲しい表情をしないで欲しいかしら。確かに良い思い出と言うのは無かったけれど、今は中途半端だから良かったかしら?」
「え?それはどういうー」
「そうですね。半端なお陰でご主人様のメイドになれたんですもの。私達の特権て感じで寧ろ誇らしいですわ!」
本人達がこんなにポジティブに捉えてるなら問題は無いのかな?正直、私も人間に近い2人がメイドとして側に居るなら安心ではあるし。
「それよりも~?私はご主人様とよっちゃん様と言う方の関係が気になってしまうかしらぁ~?」
「ゔぇ!?気になるって別に普通の腐れ縁だよ?女の子の友達で昔から知ってるだけ!」
「怪しいですわね~?
2対1の状況は分が悪い、私の質問にも答えて貰った訳だし大人しく白状しとくのが得策の気もする。私はペペとルルによっちゃんのことを話すことにした。
昔の私は人付き合いが苦手で、日の元に連れ出してくれたのが
「そんなに思い合える友人と言うのは素晴らしいものですね。憧れてしまいますわ!是非、ご主人様を変えた方...会ってみたいものです。」
「うん。そうだね。もし
「ご主人様の友人であるなら大丈夫かしら。もし無理と言われたら、ペペとルルにだけ内緒で会わせて欲しいかしら?」
カツンッ...カツンッ...カツンッ!
2人との他愛ない談笑をしながら歩いていると、ようやく暗闇にボウッと光る古臭い扉が姿を見せ、文字は読めないが恐らく書庫?と書かれたプレートが私達を迎えてくれた。
「ここが書庫か。随分と歩いたねぇ...ここから自室に戻るのも大変そうだなぁ。」
「大丈夫ですわ。ご主人様!もし歩けなければ私達が丁寧に担いで運んであげましょう。」
「いや、恥ずかしいからそれは遠慮しとくよ...。」
そう言いながら書庫の扉を開き、中へと入っていった。
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