第4話 陽キャと陰キャは相容れない?
「さぁ!ご主人様!少しお時間を取りましたので少々、急ぎますわよ。」
「カミラは熱が入ると止まらなくなるのが傷かしら?」
研究室を出た私達は現在、食堂の方へと向かっていた。ルルさん曰く都合が宜しいのですわ。とのことである。
カツンッ!
「さぁ!着きましたわ。ご主人様!ここが皆の癒しの食堂でございます。」
「まぁ、食事をすると幸せな気分になるし、間違ってはいないね。ちょうどお腹も空いてきたかも。」
「なるほど。ルルは随分と考えたかしら?食事時なら配下達も集まってくるし空腹も満たせる。流石、ペペの妹かしら。」
ふむふむ...。しっかりと考えた上での行動だったのかな?ペペはともかく、ルルの方は割りと計算深いのかもしれない。見直したかも。
ガチャッ!
「ご主人様。期待してくださいまし?今日は良い肉が入ったと聞きましたから。きっと気に入られますわ。」
「へぇ!それは楽しーー」
「貴様ッ!!もういっぺん申してみよ!!」
つんざく様な怒号に私の声は一瞬でかき消された。一体、何の騒ぎ?どうやら声は開かれた扉の先、食堂の方から聞こえてきたようだ。
「この声はまたアイツかしら?どんなくだらないことで喧嘩してるやら。毎日、毎日とよくやるかしら。」
「懲りないですわね。一緒に居るな。とあれほど言っておりますのに。喧嘩するほど何とやら...とは言ったものですわね。」
ペペとルルはそう言いながら食堂の中に入っていく。抵抗はあったが恐る恐る私も着いていくことにした。
すると中ではテーブルの上に立ち、ふんぞり返る深紅の着物を纏った少女と我関せずといった様子で食事をしているブカブカのTシャツ?だけを羽織った少女。そして長椅子で寝ている素っ裸の少女がいた。...何だ?この状況、情報が多すぎるよ。
「シャーロット!シュリカ!また喧嘩をしてるのですか?城内で暴れるな。と何度言えば分かるんですの?」
「喧しいッ!まだ暴れてはおらんじゃろう!口論じゃ!こ・う・ろ・ん!分かったか?」
「ペペ...ルル...何とかして?シュリカは普通にご飯を食べてただけだよ?それなのに...」
「キ・サ・マァ~!惚けるなぁ!!」
まさに一色触発。ペペとルルが慌てて2人の少女の間に入り、仲裁と言う名目で言い分を聞くことにした。
どうやら、シャーロットと呼ばれた少女は食堂で毎日、同じ席...つまり定位置があるらしいのだが、今日に限って先にシュリカが座ってしまい怒ってたらしい。まるで子供の喧嘩だ。子供だろうから良いのか?
「シャーロット、貴方はもう大人...1300年も生きてるのだから、大人気が無いですわよ?シュリカを苛めるんじゃありませんの。」
そうそう、1300年も生きてれば...え?
「1300年!?ルル...流石に嘘でしょ!?見た目はそこのシュリカ?って娘と変わらないよね?」
「見た目で言えばそうですね。ですが、ご主人様。シャーロットは
「何じゃ?貧弱そうな人間かと思えば先程、玉座の間に居た転生者?ではないか。妾に挨拶にでも来たのか?殊勝じゃなぁ。結構!」
「シャーロット...逆ではないかしら。ご主人様は私達の主なのだから、あなたが挨拶するのが礼儀かしら。」
「ふんっ!滑稽じゃな。主なのは認めるが、何ゆえに妾が人間なぞに
あぁ、この感じ、今時の若いもんは...とか言ってる頑固老人みたいな物か要するにプライドが高いと..理解した。
「なるほど、シャーロットは偉いんだね。じゃあ席を取られた位で騒がないんじゃない?それだと小物に見られちゃうよ?大物なら多少は許してあげるよね?」
「むん?まぁ...そうじゃな。確かにシュリカのような小物に腹を立てるのも情けないな。ふふっ!雫?じゃったか?お主は分かっておるでないか。良いじゃろう!今日は席を譲ってやろうぞ。」
カーカッカ!と高笑いをするシャーロット。扱いやすい性格で良かった。えっと...それで次は?
「シュリカちゃんだっけ?私は雫。雨宮雫だよ。さっきも会ったよね?これからよろしくね。」
「しずく...様?えっと...シャーロットを宥めてくれて助かったの...。シュリカは...
何この可愛い生き物?守ってあげたいオーラが強すぎる。ベヒモスっていう位だから私よりも強いんだろうけど...可愛すぎるよ。
もぞもぞ...。もぞもぞ...。
「流石ですわ、ご主人様!言葉巧みに手懐けてしまわれるとは。」
「ペペ達の認めたご主人様よ?当然かしら。」
「いやぁ...まぁ何とかなって良かった。あれ?もう1人居たよう...ッ!?」
ふと思い出し、長椅子の方に視線を向けるが、唐突に動きが止まる。凍てつく様な冷気が全身を覆い、冷や汗が溢れる。殺気とはコレのことを言うのだろう。
「いったい誰だ...?余の眠りを妨げる愚か者は...?」
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