第1章 魔王と愉快?な配下達

第1話 目覚めると知らない天井って定番?

そういえば、よっちゃんと初めて会ったのは...幼稚園の頃だっけ?あの時から私は人見知りで、よっちゃんは天真爛漫...あれ?私達って初見から変わってない?


「...えっと。雨宮雫です。よ‥よろしく。」


「雫。じゃあ雫ちゃんって呼ぶね。私のことはよっちゃんって呼んで!」


「あ‥その。よっちゃん?」


ザシュ!!


私の視界が真っ赤に染まる。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「うわぁぁ!!‥はぁ‥はぁ‥何?今の夢‥夢だよね?いや、最悪の目覚めだな。」


まったく朝から気分が悪い。よりにもよって親友が殺される夢で目覚めるなんて悪夢も良いところだ。リアル過ぎて正夢かと...。


そこまで考えて思考が止まる。何かがおかしい、そもそも朝‥?まず、そこに疑問がある。さっきまで私は学校‥いや、確か放課後の帰り道でよっちゃんと寄り道するって話をして、そして‥よっちゃんが‥。


カチッ!


全てのピースが当てはまり、私の頭が覚醒する。あれは夢じゃない!確かによっちゃんは目の前で何者かに身体を貫かれていた。その後の記憶が曖昧なのは、恐らく私は意識を失って倒れたのだろう。


「寝てる場合じゃない!場所の確認とすぐによっちゃんの無事を確かめないと。‥‥っ!?うわぁぁ!!」


起き上がって、動き出そうとした。直後、私は二度目の叫び声を上げた。理由は単純で薄暗い部屋の奥、紅く輝く2つの瞳?が見えたからである。


「誰?‥人なの?言葉は分かる?ここは何処なの?他にも色々聞きたいことが...。」


「落ち着きなさい。ご主人様。いっぺんに聞かれても困るかしら?」


「狼狽えないで、ご主人様。1つずつ答えてあげますの。」


カツンッ‥カツンッ‥と。私の質問を丁寧な言葉で包んだ声の主がゆっくりと照明の近くに姿を現す。


見た感じは双子の少女と言うのが正しいのだろうか?金色の腰まで伸びた髪の毛にゴスロリ?調のメイド服、赤と青のオッドアイ...とまるで鏡の写しを見ているようだ。相違点をあげるとすれば、スカートの下にタイツが有るか無いか位だろう。


「ジロジロ見すぎかしら?ご主人様。そんなに私に見惚れたかしら?」


「寝言は寝てから言いなさい。ご主人様は私の 方に見惚れてましたの。」


「あらあら?この駄妹は‥脳ミソが腐ってるんじゃないかしら?」


「同じ脳ミソでしょうに腐ってるのはお互い様では?とても残念思考のお姉様。」


色々と突っ込みたいけど、一先ず私の目の前で争わないで欲しいな、他の仲裁が居ない以上。初対面の私が止めないと、色々な質問も出来ないだろうし。


「えっと...君たちみたいな美少女が争ってる姿は見たくないかな?メイドさんならば、お淑やかにみたいな...ね?」


私の言葉を聞いてか双子の口論がピタリと止まる。我ながら黒歴史に残りそうな恥ずかしい台詞を思い付いたものだ。


「なるほど...これは特殊な性癖を拗らせてしまったご主人様かしら?ルル、早めに本題に移るかしら。」


「メイドたるもの主のどんな性癖も受け入れること。趣向にあったので一段階は合格ですわね。ペペ姉様。」


ペペにルル...名前と彼女たちの役職を聞く手間が省けたのはかなりの収穫、でも代償としてメイドフェチの変態と言う認識をされたらしい。...凹むのは後、とにかく情報を得なければ。


「えっと、それで質問なんだけども。聞きたいことが3つあって、まず此処が何処なのかな?日本内ではある?それと私は家に帰れるのかな?最後に私の近くに女の子が倒れて無かった?」


我ながら変な質問をしてると思う。キョトンとして顔を見合わせる彼女たち...でも私の本能が僅かな警報を鳴らしている。いや、盛大に笑ってくれれば解決する。だけど悪い予感とは嫌なほどに的中をするものだ。


「ご主人様の質問なのだけど、答えられる範疇で解答するかしら。ルル‥」


「はい、姉様。1つ目は少なくともニホンではない。2つ目、此処がご主人様の居るべき場所。3つ目...それについてはクソ女が答えてくれますわ。」


「「さぁ、参りましょう。ご主人様...玉座の間に。」」

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