第9話 枯れた花は愛をとる
「あ、、嘘だろ、忘れてた」
もってきたリュックのポケットの中にここにくる前に女の人からもらった封筒が入れっぱなしになっていた。
「終わった…どうしよう、正直に言うしかないよな」
『玄楽〜!』
「アアアア!」
突然来たソラに驚いてしまった、ソラも驚いていた。
『ど、どうしたんだよ突然』
「いや、あの、これ」
『?』
ソラに渡すと中身をみてソラはなんか喜んでいた。
『フユちゃんからの手紙だ!なんでもってんの?』
「ここにくる前にもらっててそのまま忘れてたごめん」
『いいよいいよ大丈夫、久しぶりの手紙だー』
ニコニコしながらソラは手紙を読んでいた、あの女の人はフユと言う女性だったのか、でも元気がなさそうだったけども。
「その人とは仲良いの?」
『うん!写真あるから取ってくるね、待ってて』
小走りで部屋を出て行った。
手紙の内容が気になってしまい見てみるとどうやら現世に行っているらしい、この村から出て旅をしており今の街がどうなってるのかやこんなものがあったなどの報告が書いてあった。
「『村よりかは花や木々は少なく少し寂しいが私には頼れる人がいるから安心してね、またいつか会えたら会おう』楽しんでるのかな、初めて見た時あまり顔色が良くなかったしこの頼れる人ってのはなんなんだろう」
考えているとソラがアルバムを持ってきた、一冊しかないが中身はたくさんの写真や手紙、しおりがあった。モノクロのやつやすこし画質が悪いものもでもどの写真も2人は楽しそうに笑っている。
「本当仲良いんだな2人」
『そうだよー』
その後も2人の話を聞いた、趣味が合う話や遊んだ話もソラが手紙をもらって喜ぶ理由もよくわかる。
だからこそフユさんの顔色が悪く手紙の内容のようなようではなかったことを打ち明けるのが怖くなって行った。
『もぉこんな時間、買い物に行かないと』
「おお、いってらっしゃい」
フユさんのことが心配になって手紙を持って皐月さんのところへ行った、死んだ人が現世で元気に生きていけるのか?
「これ、実は殺される前にもらっていて。忘れてたんですごめんなさい」
『いいのよ、あの時はゴタゴタしてたし。これは…フユからね…』
「ソラに見せたらすごく喜んでました、また会えるって」
『なるほど、現実は辛いものね。フユちゃん帰ってくるきはないと思う』
「え?」
『前にね一度帰ってきたんだけど』
『ねぇ、本当に大丈夫なの?体がないのよ?魂だけで生きていけるとおもってるの?しかも人間と共存して…』
『貴方も否定するの?』
『いえ、応援してるけど…けど』
『大丈夫よ、私は本当に彼を愛したのたとえどんなことがあろうともね。ソラ宛に手紙を送るよそれで私の体調や生活がわかるだろ?』
『って言い残したきり手紙でしかやり取りしてなかった。ソラに嘘をついてまでも…』
「その、生きていけるんですか?魂だけの状態で」
『いいえ無理よ、どんどん魂は薄れて行って消えてしまうわ。あった時顔色が良くなかったでしょ?』
「後少しで、消えてしまう」
『そぉ、これをソラに言わないでおいて。あの子への負担が大きくなるわ』
手紙は楽しいことの内容が書いてあるのだろう、それを楽しみにしてまた会える人を待っていると思うと秘密にしている側もとても辛い。
いた手紙が届かなくなるのかも知らないし帰ってくるかもわからない、けどぼくも祈っておくよフユさんの帰りを。
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