第4話 お使い
弥生さんから俺とソラが呼ばれた、行ってみるとメモ帳とお金らしきものが入った巾着袋を渡された。
「紙に書いてあるのってなんですか?」
「上のは鳥の餌で皐月様のでしたのが私の欲しいもの」
「インクなんているの?」
「そおだよ玄楽君が来たことを他の人に教えないといけないからね、書いてる途中に切れてしまったんだ」
弥生さんから説明を受けて人力車に乗って向かった、桜が咲いているとこ以外行ったことないから好奇心が湧いてきてる。
「その町ってどんな感じなの」
「いろんなお店があるとこ、服屋や食べ物が置いてあるよ。鳥の餌はすぐ行けるんだけどインクはどうかな…」
「遠いいのか?ついていくけど」
「その日によってあるかないかなんだ、なかったら墨汁だな」
のってから何分か経った時提灯がみえた、あかりはないが夜になったら綺麗に光ると思う、その提灯からどんどん派手な町がみえてくる赤い門を潜り抜けると華やかな建物がたくさん建っていた。
『ついたぜお客さん』
「ありがとうございます」
「ありがとうー」
人力車の人はすぐに別の人から仕事が入って去って行った。それほど人がこの村にいるってのがよく伝わる。
「あそこの店からいこ!迷子にならないでね」
店の前には小鳥が入っている鳥籠や日向ぼっこしている猫や犬がいた。
『おやソラちゃんじゃないか、またお使いかい?』
「そお、鳥の餌が欲しいんだ」
『まってな取りに行くから』
鳥籠ではないがレジ近くには緑の見たことない鳥がいたり猫にしては野生身が強い子がいたりと不思議なとこだ。
「少し外見てきてもいい?」
「いいよ、あまり離れないでね」
少し出てみると人たちの服装はバラバラだし、建物も統一してないたくさんの商人が来て大きくして行ったみたいだ。
『オマエフクヘン』
「うわっ」
横にいたオオムが急に話しかけてきた、ボーとしていたから反応がデカくなってしまい何人かが見てきた。
「なんなんだこの鳥」
『キモノノホウガニアウ』
「は?え?着物??」
驚いているとソラが出てきて事情がわからない顔をしていたから丁寧にこのオオムのことを話すとわかった顔をして笑い出していた。
「あぁwそのオオムね着物屋の宣伝の鳥だ」
「こんなストレートに言うか?」
「店主はこんな言葉言わないからたぶん別の人が言ったんだろうね」
俺がいた時代だとネットで炎上してただろうな。
「ありゃま、インク売ってない」
インクが売ってるはずの店に行くと売り切れてしまっていた、人気なのだろう。
「墨汁を買いに行こう」
「了解」
「あ、ならあのオオムが言ってた人がわかるね」
「なんで?」
「着物を売ってる店の隣が墨汁や紙を売ってる店なんだ、店主に聞けば謎が解けるね」
「俺みたいに驚く人が減ることを祈るよ」
荷物を交互に持ちながら行ってみると確かに着物屋があった。
「やっほー流華」
『あ、桜山さん。こんにちは』
優しそうな人が出てきてソラがそのことを話すと。
『そんなの僕言わせてないよ?ちゃんと住所や着物屋ってことを話すように教えたのに』
「そうならなんであんな人を小馬鹿にするようなことを言ってたんだろ」
『いや。1人怪しい人物いる。』
「え?誰かの」
『や、弥生さん』
まさかの人物の名前が出てきて驚いた。
「なんで??」
『結構まえに「人を呼ぶためには悔しい思いをさせて呼び込むんだよ」って教えてもらったけどあの人がやっていた商売と僕の商売は別物だしやめたんだ』
「うちの弥生がすいません」
『いやいいんだ、影響でてないしそれに商売の先輩として色々聞きたいしこれも経験だと思っておくから大丈夫だよ』
(本当にいいのか?それで)
「でもさ、なにか罰を与えた方がいいんじゃ?」
「だね、なんでもいいよ流華が決めて」
『え、うーん。じゃ僕のお店の着物を一着買ってくれたらいいよ』
「了解伝えとくよ」
帰って弥生さんに伝えると、「バレたか」と言ってソラに怒られてた。
墨汁と鳥の餌を受け取ったあと着物屋にすぐに行って買いに行ったようだ。
帰ってくるとニコニコしていた。
「水色に金色の線が書かれていてとても綺麗だったから一目惚れで買ったんだ」
確かに綺麗で細かい装飾があり一目惚れする理由もよくわかる。羽織っている弥生さんの顔はとても嬉しそうな顔をしている。
「いやー着たいものを着れるのは最高だねー」
「お金の管理に気をつけなよ、もし八重姉さんに見つかったら報告されちゃうよ」
「大丈夫、大丈夫。八重にバレなければいいさ!」
と言っている弥生さんの後ろに鬼の形相をした八重さんがいることは黙っておいた。
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