第3話 新たな一歩

朝目覚めると暖かい日差しがさしていた。

布団で寝るのは久しぶりだったから慣れるか不安だったけど朝まで寝れてホッとした、てか死者にも寝るっていうのがあるのか。

「おはよう玄楽!」

「あぁソラか」

「八重姉さんが一緒に農作業してみないかって!いこ!」

と手をひかれて階段を降りた、下の方には確か田んぼがあった。

「おはよう2人とも」

「おはようございます八重さん」

「今回田植えをやらさてみようと思ってね、やったことあるかい?」

「僕は一度だけ」

「私は八重姉さんを見てたな」

「ソラはそうだななんてたって田植えをしようとしたらこけて泥の中に尻餅ついたからな!」

「いわないでよ!」

「まぁ誰でもやるよw」

「笑ってるし」

小さい田んぼに入って一つずつ丁寧に植えていく、おたまじゃくしが中にいたりトンボがそばを飛んでいたりなどとても自然豊かだ。

「ご飯って死者も必要なのか?」

「うーん多分いらないと思う、けど生きているなかで一つの習慣だったじゃんその名残りかな」

何年経とうが習慣は消えないんだな。




「2人ともー休憩しなー!」

上へ上がり川で足を洗いに行った。

その川には絶滅した魚が泳いでいたり小動物も川で水浴びや日向ぼっこをしていた。

「これって現世では見かけない魚だよね」

「うん、ネットとかでしか見たことない」

「弥生兄さんがいた頃ぐらいに発見されたんだってそのあと狩すぎたんだね」

足を洗ったあと上に戻ると八重さんが袋を持っていた。

「お、おかえり。ソラこれを皐月様に渡してきてそのあとは自由でいいから、好きなとこにいきな」

「わかったすぐいくよ、待ってて!」

と言い走って行った。僕は座って八重さんは土手に寝っ転がって休んでいた。

「あの子はほんと自由をおおかしている。」

「八重さんは自由とかないんですか?」

「いや今はあるよ、けど昔はね。戦が絶えないし生きるには殿様の下について働くしかなかったし。」

「ならここにきてよかったって思います?」

「あぁ思うよ。お前は思わないか?」

「1人になれたのはよかったし。不思議な村に住めることで放浪することはできなくなったから嬉しいですよ」

「なら前世よりこの世界の方がお前は生きやすいんだな、仲間だ」

と返しがきた、たしかにここにきてから心配や不安に襲われたりしてない。ストレスにならない。最高だ。

「ただいまーあれ八重姉さん寝てる?」

「あれ本当だ」

さっきまで話していたのにぐっすり寝ている。

「そっとしといてあげよ」

「だな」

静かに小屋を出て戸を閉めた。

ソラが桜が綺麗なところや川と桜がよく見えるところへと案内してくれた。

「そういえばなにか話してたの?」

「ん?いや特に大したことは話してないよ」

「ふーん、八重姉さんおしゃべりだから何か話してそうだったのに」

「お前のことを自由がある子ってのは言ってたよ」

「こき使われてるのに自由な子とか皮肉かな?」

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