第2話 二度目の生きる

村に入ると桜の木が何本もあった、その奥に大きな屋敷がある。

「あの屋敷に行ってから案内するよ」

「なんかのルールなの?」

「ここにきた人を把握するため、いつのまにかいたってことにならないように君を紹介するの」

「その人は村長かなにかなの?」

「いや、この村に村長は居ないよ」

皆が平等に暮らしているらしい、現世ではあまり見掛けないよ。

「皐月さーん、新しい人きたよー」

「あら、そうなの」

襖から顔をひょこりと見せた女性、桜の柄がついている十二単をきた髪の長いかただった。

とても優しい顔をしていて美人、今はあまり居ない人だ。

「あら、入村する子?」

「そう」

「あら!いらっしゃい。ようこそ花の村へ」

「よろしくお願いします」

「上がって、いまお茶を用意するからゆっくりして」

来たばかりのぼくに優しく接してくれた、お座敷は広く暖かった。

「失礼します」

「あ、弥生兄さん」

「あぁソラちゃんだったのか、んでそのお隣さんが新しく来た子かい?よろしく私は弥生と言うんだよろしく」

桃色の髪をした男性、ソラとはひたしいみたいだ。

「玄楽って言います、どうも」

「よろしくソラと同い年に見えるね、ふふ♪ソラにも恋がきたのかな♪」

「はぁ?!辞めてよ弥生兄さん!!」

「やめな弥生、お客人が驚いてるだろ?」

後ろから別の人がお茶を持ってきた、その人はなんで言ったらいいんだろ。胸元がだいぶ見えた服を着た方で左目に眼帯をしていた、ソラや弥生さんの会話を聞いているとなんだか幸せそうだなって思った。

「ほら、みんな。話を聞くんだったらお行儀良く座ってなさい」

「すいませんね皐月様、この男は」

「いいのよ八重、ごめんなさい玄楽さん驚いたよね」

「いえ楽しそうでいいですね」

「貴方はどうしてここへきのか教えてもらってもいいかしら?言いたくなかったら無理に言わなくっていいのよ。」

優しい眼差しで問いかけてきた。

「アルバイトの帰りに通り魔にあって起きたらソラがいました」

「ご遺体はどうしたのソラ」

「そうだ!おれの元の体!どうしたんだよソラ」

「正当防衛をしたように偽装しといたよ」

「えぇ…サイコパスかよ…」

「いやだって八重姉さんが」

そう八重姉さんに視線を向けるとさっきまで弥生さんの後ろにいたのに姿が消えていた。

忍者のように。

「あれ、いない。」

「八重はもともと忍者ですから」

忍者だった、でも何故ここに忍者が?それに皐月様も今の時代にいなさそうな服装してるし、弥生さんは大正や明治の頃みたいな服そうや顔立ちだ。

今思えばソラが刀を持ってるのも不思議に感じる。

「あの、みなさんはいつ亡くなったんですか」

「皐月様は平安時代、八重姉さんは江戸時代、弥生兄さんは慶応。私は大正ギリギリ。」

「え、じゃ、だいぶ時だってるし老いないの?」

「死んだ時の年齢で止まってるよ」

だいぶすごい質問をしてしまった。

皐月様はぼくの入村を心良く迎えてくれた、屋敷から近い家を貸してくれた何かあったらすぐ駆けつかれるようにと。その日はソラと少し話した。

「なんか、まだ死んだのが本当なのかと思ってる」

「親御さんが心配なの?」

「いや、親はぼくのことを見捨てたし親も安堵してるだろう。ただ言葉に表せない不思議さがあるんだ」

「わかるよ、私も両親から縁を切られて死んだから同じだね」

「なんで死んだんだよ、体力や忍耐もあるし何にでもなれたのに」

「嫉妬かな原因は、結構大きな家だったんだうちの家。兄や姉は5人妹弟は12人私と血が繋がってるのは父と兄1人と妹弟2人、腹違いってやつだ。そして何故か私だけ体力や刀の扱いにたけていて兄や弟からは「お前のせいで苦労してる」って難癖つけられて父からは「男だったら使い勝手できたのに」って酷い話だよね、そっからは早かった。刀の名人のとこへ修行に行くことになってなんなら縁切っちゃおって思ったら切った瞬間怒り狂った父が刀で斬りつけてきてな、多分刀の才能がある私を捨てたくなかったんだろうね。名家の意地ってやつだ」

「酷い父だな」

「もっと言ってやって、たぶん地獄大体間に合ってると思うから。できればこの手で私と同じことをしてやりたいよ」

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