第14話
「お疲れ様でした。全ての試練の達成をなされたので、Cランク冒険者として登録致しました。こちらがCランクのバッジになります。必ず見える場所に取り付けをお願い致します。無くされた場合、冒険者ギルドの恩恵は全て受けられなくなります。更に再発行をするには50万セル頂く事になるので無くさない様にお気をつけ下さい」
「わかった」
「それでは、これからのご活躍を期待しております」
アルテがローブの胸元にバッジを付けギルドから立ち去る。
『なあ、クエストを受けないのか?』
「受けないよ。
この後は迷宮の浅い所で君に体の支配権を渡すから、体と力、戦い方の適合と戦闘の練習をするからね。
その後は宿に戻って魔法の勉強会かな」
『えー、少し町中をぶらつかない?
結局昨日は試練の後、宿探して1日が終わったから都市を見れてないんだけど』
「前にも言ったけどそれは君がCランクになった後でね。
今の君だと体の力に振り回されているから、技術も駆引きもない力押し以外の達成は出来ないよ」
『・・・頑張ります』
「頑張って、私も確り教えるから。
後、最後の冒険者達との戦闘はかなり厳しいはずだよ。あの時の冒険者達は確かな実力があったからね。槍使いが変なプライドと油断をしたお陰で簡単に落とせただけだから。突っ込んで来た時、フェイントを混ぜたステップで風の魔法と同時に来ていたら間違いなく雷の魔法は払われていた筈だよ。
更に言えば、突進の後を確り意識していたら槍を避けられた後、離脱でなく連撃に移る選択が出来たんだ。
風の魔法の援護を受けての近接戦闘を続けていたら、君の場合は一撃を受けるか大きく離脱する事になっていた筈だからね」
『あの時はいつも通りの戦い方をさせないために煽った訳じゃなかったんだよな?』
「そんなつもりは無かったよ。少し怒らせてしまうとは思ったけど、あそこまで考えなしに動くとは流石にないと思ってたね」
『まあ、そうだよな』
「さて、話を戻すよ。
君は体の力を制御出来ていない。だから、君の力を今の半分になるように制限を付けて戦ってもらうからね。そうして体の力と体の使い方、戦い方をある程度適合させよう。
この前の練習の時に分かったと思うけど、半分にしたとしてもかなりの速さと力の強さだから体に振り回されてしまうよ。
そうなったとしても、1対1で戦えば君が勝ててしまう位には彼らと身体能力に差がある事も理解しておいてね。
かなり辛い特訓になるけど君なら出来るよ。ちゃんと君を支えるからギリギリまでせめていこう」
『…戦闘の練習でしょ。何でそんな恐い話しになってんの。え、やだ。このままアルテの補佐しながら戦うから特訓止めない?でも無理そうだからお手柔らかにお願いします!』
「ふふ。それじゃあ、始めようか!」
アルテは前みたいにそれはもう楽しそうに怯える俺を無視して迷宮に入って行きやがった。
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