#45

コタニさんとペアの腕時計を着けている。


カップルじゃないのにね。ちょっと恥ずかしいが、悪くない。


魔法具店を後にした俺達は、次は服を探す事にした。


着る物に無頓着&センス無しの俺には、選んでくれる人が必要なのだよ!


一緒に服を買いに行くってデートっぽくね?


ハッハッハッ! 爆ぜろとか言うなよ? 僻むな僻むな!




店の場所は相変わらず判らないので、あらかじめあばあさんに聞いておいた。


ババくさい服を売っている店じゃない事を祈ろう。




そこはユニ○ロのような量販店だった。


店名は「ウニモグ」。車屋かと思ったぜ。


形の種類はそんなに無く、1つの形の色違いやサイズ違いがある感じ。


価格はそんなに高くなく、1着5000円。


コタニさんに上下1着づつ選んでもらった。ありがたい。


コタニさんは自分の服を選んでる。パッと決める辺りが男らしいぜ。言ったら失礼かもしれないけど。


それにしても、服の量の男女比が1:3くらいってのはどこの世界でも一緒なんだなと思う。




これで買い物は終了。


30万を残金無く使い切ったコタニさんが優勝候補だろう。


あれっ? よく考えたら、俺についてきた方が優勝出来る可能性高いんじゃないだろうか?


うん、決めてなかったし。考えるのは止めよう。




ホテルに戻ると、まだ誰も帰ってきてなかった。


まだ後30分くらいあるし、誰も時計を持ってないからね。


昼になれば帰ってくるだろう。




のんびりしてると、皆が帰ってきた。


では早速、買ってきた物の披露と、優勝者を決めよう!




まずは15万のウエダさんからだ。




「師匠に必要な物はコレだ! カミソリセット!」


「お~!!」


「いつもナイフで髭剃りしてるだろ? これで楽に綺麗に剃れるぜ!」


「これはありがたい!!」


「そうだろうそうだろう」


「で、自分の物なんだが、時計が欲しくてな、申し訳ないが使わせてもらった」


「好きな物買って良いんだよ。気にしない気にしない」


「そうか。ありがとう。で、次はこの町の地図だ! これは俺も買った!」


「なるほど! 思いつかなかったよ! あると便利だね!!」


「おう! しかも食堂や宿屋なんかも書いてあるスグレ物だぜ!」




ガイドブックみたいなヤツだな。そりゃ便利!




「これで残金は2500円だ!」


「2500円ね。現在暫定1位だね。まだ一人目だけどさ」




次は10万の奥さんだ。




「まずは、色々と買わせて頂きありがとうございます」


「いえいえ、泊めてもらってますから。宿代と思ってください」


「すみませんねぇ。それで買った物なんですが、服にしました。下着も含め10点ほどです」


「服は自分でも買ったんですけど、下着までは考えてなかったなぁ。ありがたいです」


「男性の方は横着して洗濯しませんからね」


「……耳の痛い話ですね~」


「それで、自分達の物ですけど、ナミや自分の服を10点買いました。


 残金は1800円です」


「おぉ~! 暫定1位ですね! ウエダさんが罰ゲーム候補です」


「まっ、まだ判んねぇだろ?!」




いや、結構ヤバいと思うけどな。


次は25万のカンダさん。




「色々考えるのは苦手なので、1品勝負したよ」


「ほうほう。で、何を?」


「武具屋に行って、籠手を買ってきた! 調整込みで15万9800円だった!」


「後で調整してもらえる訳ですね?」


「そう。手の防具を持ってなかったと記憶してたのでこれにしたんだが、、、持ってなかったよね?」


「片手分しか持ってないよ。重要だよね、防具。ありがとう!」


「で、だ。皆考える事は同じだな~と思ったよ」


「ん? 何が?」


「実は俺も自分の物は時計にしたんだ……」


「あ~そういう事か~。便利だもんね、時計があると」


「そうなんだよ。今回も2時間って言われたけど時間が判らなくなってしまってさ」


「そこは俺のミスだよ。スマン!」


「でも、前から欲しかったんだ! 良いのが買えたよ。あっ、残金は2200円です」




勝ちも負けも無くなったね、カンダさん。




さ、次はキジマさんだね。

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