#23

帰り道は夜なので、当然真っ暗。


前世のように街灯なんか無い。


どうやって帰るかというと、月明かりと馬車にたいまつ。


この世界は月が2つあり結構明るい。晴れているからってのもあると思うけど。


だからと言って夜に出歩くもんじゃないね。バカのやる事だよ。




だから俺は必死に祈ったね。


『危険な動物出てくるなよ~!!』と。




祈った甲斐があったのか、無事に村に到着した。


冒険者の2人は宿に帰るようなので、明日の朝にウエダさんの店に来てもらう事にした。


忘れてたけど、ダンジョンでのドロップ品を売らなければならないからね。




ウエダさんは奥さんとカタログを見ながらイチャイチャしている……。


いいんだ、俺はポチと遊ぶんだ……。


あれっ? どこに居るんだろ?


奥さんに聞くと「ナミと一緒に寝ましたよ?」と言われた……。


ナミちゃんの従魔になってるんじゃないか?!




俺は1人部屋に帰る。


いいんだ、いいんだ、考えたい事もあったからね。






俺は、今の生活でいいのだろうか?


朝起きてダンジョンへ。


帰ったらカジノの町へ行き、ギャンブル。


村に帰って寝る。




……ダメ人間じゃないか?


しかもこの生活パターンだと、ポチと遊ぶヒマが無い!!




もう少し考えて行動する必要がありそうだ……。




レベル上げにダンジョンに行くのは良いだろう。


あの2人が居れば、そんなに危険は無いと思うし、いざとなれば運を使えば何とかなるはずだ。


ただ問題は、武器のレベルがショボいのと、俺のレベルがショボい事。


ショボいレベルだからレベルが上げたい、でもショボいレベルだから危険。ジレンマだ……。


う~ん、どうしたものか。




そうか! 良い武具やアイテムを揃えれば良いのか!


金で買う? 今残金いくらだっけ?


確認したら400万くらいあった。初期状態だな。


よし、どこかに買い物をしに行こう。


金が足りるのか? 足りなくても稼ぐ方法が無い……。




はぁ、結局ギャンブルしかないのか……。


考えてみれば、武具やアイテムもギャンブルで手に入れてるんだもんな。


しょうがない、明日はダンジョンを止めて、カジノの町に朝から行こう。


で、お金を貯めて、買い物をしよう。


武器が強くなれば、ダンジョンでのレベル上げも楽になるだろう。






翌朝、早速来た2人に話をする。




「という事で今日はカジノの町に行こうと思います」


「何がどうなって『という事で』になってるのですか?」


「回想を読んでください」


「無茶言いますね!」


「ウエダさんに話して、馬車を借りる事が出来ました。


 町までの往復の護衛と馬車の運転をお願いします」


「……はい、判りました。でもギルドには話しておいてくださいね。契約内容の変更なのですから」


「あっ、そうなるのか! 面倒だなぁ……」


「いや、こればっかりはやってもらわないと。お互いの信用問題になりますから」


「そうですか。まあ近いから行く前に寄っていきましょう」




やって来ました。冒険者ギルド。


現在の契約は日時変更で済んだ。すっごく簡単だった。


それよりも護衛の依頼を出せって言われた……。


また依頼書を書く事になり、非常に面倒だったよ……。




書類仕事も終わり、なんとか午前中のうちにカジノの町へ到着した。


目的は、


1.お金を稼ぐ


2.ガチャ等で良い武具やアイテムが手に入るなら入手する


3.情報収集


の3つだ。


2は、道中で「買わなくても当てればいいじゃないですか。買うよりも良い物があったりしますよ?」と言われたから。


3は、武具やアイテムを売っている場所を調べる。


それに、どんなアイテムがあるのかも知りたい。




この世界で在ったら便利だな~と思っているアイテムがある。


『時計』『鑑定の能力か物』『隠蔽の能力か物』『レベルが上がりやすくなる能力や物』


『懐中電灯』『ワープや転送』『冷蔵庫や冷凍庫』『結界』などなど。


こういう物があるなら積極的に入手したい。


ちなみにウエダさんの店に無い事は今朝確認した。




まぁどれも魔法で出来そうな気がするけど。




はっ! 魔法の本を読むのを忘れてた!


後でやろうと思ってた事が、忘れてるけど沢山ある気がするなぁ……。

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