#24
お金を稼ぐと言ったが、よく考えるとブラックジャックの店しか知らない。
あそこで大金をせしめるのはちょっとなぁ。
スロットでも良いけど、派手な音と証明が困る。
って事で聞いてみる事にした。
「どこかオススメのトランプの店ってある?」
「俺はガチャ専門だからなぁ。キジマは?」
「ポーカーの店なら知ってますよ」
そういえば前にポーカーしてて変な名前を知らないって言ってたな。
変な名で呼ばれない店。いいじゃないか!
「じゃあ、そこに行こうか」
「福田さんはポーカーを知ってますか?」
「え~と、5枚で役を作るんだよね?」
「簡単に言うとそうですけどね。行く前に詳しく説明しましょうか?」
「そうだね。お願いするよ」
「私の行く店は、まず場所代を払います。
それで入場し、4人で一組のテーブルに座ります。そのテーブルにはディーラーが1人付きます。
勝負はテーブルに着いた4人で行い、カードを配ったりするのはディーラーの仕事です。
配られたカードは、1回だけ好きな枚数を交換する事が出来ます。
全員が交換し終わると勝負になります。
勝負は、まず、全員が場に決まった金額のチップを出します。
ここまでは良いですか?」
「ふむふむ、理解したよ。」
つまりはディーラーは関係なく、プレイヤーだけでの勝負な訳ね。
「では続きを。
次に、最初はディーラーの隣に座った人が親になります。
親から順に時計回りで『レイズ』か『コール』か『ドロップ』を選択します。
『レイズ』はチップを上乗せする行為です。上限はありません。
『コール』は隣の人のチップと同等のチップで勝負する場合に言います。
『ドロップ』は勝負しない場合に言います。その時点でカードを場に出します。場に出したチップは返ってきません。
これを何周もして、ドロップした人間を除き、全員が『コール』したらカードを一斉にオープンします。
その時に一番強い役を出した人が、場に在るチップを総取り出来ます。
勝負が終わると、親の左隣の人が親になります。
理解出来ました?」
「レイズとコールとドロップね。了解」
前世での方式とあまり変わりは無いな。
「役ですが、10種類あります。
強い順に、ロイヤルストレートフラッシュ・ストレートフラッシュ・フォーカード・フルハウス・フラッシュ・ストレート・スリーカード・ツーペア・ワンペア・ブタ、となってます。
同等の場合、役の中に『大きい数字のスペード』を持っている人の方が強くなります。
役の内容の説明は必要ですか?」
「役は知ってるから大丈夫だよ」
「そうですか。一応補足しますと、ストレート系の場合、AはKと繋がりますが、Q・K・A・2・3とはなりません」
「了解」
「最後に『駆け引き』です。
弱い役でも強気に出てドロップを狙う手もあります。
とにかく表情を変えないでください!まぁわざと表情を変える人もいますが……。
逆に強い役の場合、強気にレイズすると誰もがドロップしてしまい儲からない事もあります。
レイズやコールは慎重に行ってください。
誰かが手持ちのお金が無くなるまで勝負は続きます。それまでは止める事は出来ませんので」
「なるほど、誰か1人を貧乏にするんだな。
残り3人がグルって事もあるんじゃないか?」
「その可能性はほぼ無いですね」
「ん? なんで?」
「使われるカードは特殊な物で、別室で誰がどのカードを持っているか判る仕組みになっています。
カードの入れ替えは不可能ですし、強い役でドロップしたらすぐに判りますし」
「なるほどね~。ちゃんとした監視システムが出来てるんだ」
「そうです。今まで不正をした者は全員捕まってるって話ですよ。
この町ではギャンブルでの不正は重罪ですので。
聞いた話ですが、2年前くらいに不正をした男は死刑になったそうです。
それ以来、誰も不正をしなくなったそうですよ」
何それ! 怖い!
「判ったよ。不正は無いって事ね! じゃあ行こうか!」
「私は後ろに居てアドバイスをしますので」
「えっ? おいキジマ、俺は?」
「あんたは別室。すぐ顔に出るんだから、近くにいれる訳ないでしょ?」
「そ、そんなぁ……。」
おい、イチャつくのはやめてくれないかな?
水筒の水をぶっ掛けるぞ?!
今日も100万円を用意した。
これだけあればレイズされても何とかなるだろう。
キジマさんを先頭にポーカーの店の扉をくぐると、店の中の雰囲気が明らかに変わった。
「おい! ピンクだ!」「ブルーもいるぞ?!」「あっ!! 帝王だ!!」「帝王が来た!!」
「あれ? 皇帝じゃなかったっけ?」「何言ってんだ、今朝の話し合いで帝王に統一しただろ?!」
「「「「「帝王一派だ!!!」」」」」
そんな話し合いをしたヤツは誰だ?!
1対1のギャンブル対決に持ち込み、運を使いまくってでも身包み剥いでやる!!
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