第5話
春めいて来た頃、とうとう逃走の準備ができた。むろん冬の間に動物を殺しまくったハンドアックスが武器だ。着るものは班長のものを盗む。着たくはないが、裸よりマシだろう。むろん班長を殺してからだ。街へ来た人を奴隷のように扱い、その死体をゴミのように捨てていた連中に何の同情も未練もない。
夜、皆が寝静まった頃、枷を鳴らしながら大部屋を出て、廊下を歩く。監視人は便所だと油断していた。僕は便所で足と首の枷を引きちぎるように外し、便所の天井に隠しておいたハンドアックスを取り出して、あくびをする監視人に忍び足で近づいて襲った。呆気ないものだった。首に一撃、悲鳴もない。ハンドアックスを抜く。血飛沫かま廊下の壁や天井に飛んだ。続いて地上へと駆け上がる。そして二階部へ続く階段を静かに上がる。その突き当りの部屋に班長がいる。寒さも和らいだ夜のことだ。仲間を含めて三人の男が賭け事をしていたところを、ハンドアックスで脳天と側頭部を叩き割った。人も動物も急所など似たものだった。急いで血塗れの体を拭いて、クロゼットから新しい服を取り出した。隠してある床下から金銀銅貨の入った財布を懐に入れた。そのときだった。もう一人が戻ってきた。テーブルにはカップが四つ、椅子が四つだ。戻ってきた男は班長の次に汚く、僕たちをこき使う、神経質な奴だったが、惨事に腰が抜けたまま廊下の壁に背を預けた。
「こ、殺さないで」
嘆願してるのだろうが、僕は彼の怯えた顔を見下ろした。ハンドアックスを一気に振り下ろした。廊下の壁ごと削れて、奴の鎖骨から肋を砕いた。殺さないで、助けて、少し休ませてと言われながら、夜の寒空に捨てられた人が何人いたことか。
僕は庭へ出ると、頭で描いていたように必死に小川へと走った。低い土手で囲まれた小川の下流は、やがて石でできた水路で城壁都市へと続いている。それは舟で解体した肉を運ぶのに使われ、小川そのものは城の外をへと逸れていく。屠殺で汚れた水、死体を解体したものが流れ、都市の遥か彼方へ遠ざけられる。そうやって皆は見なくてもいいものを隠して、街は存在しているのだ。そのまま小川に沿って夜のうちに城から離れてもよいが、僕は絶対に違うと感じた。このままでは浮かばれないものがいる。この手を血に染めてでもやらなければならない。街には、僕たちを犬ころのように捨てた薪割りの老主人が待っている。もし街へ入れば、警察など(見たことはないが)に追われるのだろうか。
小舟を漕いで、城壁をくぐり、夜の水路を街へと進ませた。今は人の死の上に建つすべてが許せない。興奮が冷めてきた気もしていた。こんな僕をレイはこんな僕を悲しむだろうか。僕は人を殺した。どんな理由があろうとも、僕は人を殺めた。
頭の中で思い描いたようなことができるわけでもなく、ただ日々が過ぎていく。このまま野垂れ死ぬ未来しかないのに、まだこの期に及んでも、何とかなるのではないかという楽天思考がよぎる。
何とかなるわけがない。しかし人を殺せる自信はない。とにかく敵などに背を向けて逃げる。ひたすら夕闇を走るしかない。ルートはわかっている。どうせこのまま死ぬんならレイの傍で死にたい。
僕は夜、便所へ立った。監視人はいないようだった。外へ通じる鎧戸は頑丈で、重々しい錠で閉ざされていた。便所の天井に隠しておいたハンドアックスを取り出した。便壺槽へ降りた。ためらいはない。糞尿は肥やしになるので貯めてある。たしか地獄絵図にこんな地獄があったような気がした。糞尿の中を泳いで、外へと通じる蓋を開いた。刺激臭と情けなさで涙が出そうになるが、生きるために選んだ道だからと自分を鼓舞した。何とか便槽から這い出して、息を詰めたまま敷地を走り抜けた。それから音を立てないように小川に身を沈ませた。汚物を流せたのはよいが、冷たすぎる。下流へ下流へ泳いだ。途中、計画に描いていた水車小屋に寄る。ドンゴロスに穴を空けて頭からかぶる。小川沿いに駆け抜けた。ここでためらってはいけない。火の一つでも付けてやりたいところだが、他の奴隷も犠牲になると考えた。嘘だ。単に度胸がなかったのだ。一人でも死んだり、逃げたりすれば、班の連中全員が罰を受ける。僕も受けた。それで死んだ者もいた。見えさえしなければいいのか?自問自答が頭を回る。足をもつれさせながら、小川につながれた舟に忍び込んだ。
誰も追ってこないでくれ。
揺れが止まるのを待ちながら来た道に注意を払う。小舟のもやいを外して流れのまま川を下る。舟には肥壺が積まれていた。また糞尿だ。どこまでも糞尿に縁がある。
城内へ入るのか、外へ逃げるのか。悩んだ。外へ逃げれば遠ざかることができるが、一人では食うことに困るだろう。レイがいたからこそたくましく生きられた。そんなことくらい理解している。城内へ入れば食うには何とかなるだろうが、屠殺場が近くにあるので見つかる可能性は高い。捕まった経緯までは記憶にないが、どうせ誰かに売られたのだろうから、また連れ戻されるかもしれない。もちろん同じ屠殺場ではないかもしれない。たださせられることは似たようなものだ。
僕は考えがまとまらず、苛立ちに任せて足枷と首枷の残骸を捻じるようにしてちぎる。
舟は自然と城内へ流された。選ぼうにも選べないままだった。ここまで来ても、僕一人では何一つ判断できずにいた。舟は関に食い止められて、僕は目を覚ました。こんな状況なのに眠ってしまったらしい。もはや呆れるほど愚かな奴に思えた。
水路は木の格子で通行止めとされていた。どうすべきかあたふたしていると、柵の奥、城内側から複数の声がした。僕は慌てて船べりから水へと沈んだ。眠そうな声で「小舟が流れて来やがった」とでも話しているようだ。「なんとかしろ」ともっと遠くから叫んでいるかのようだ。
舟の際で息を継いだ。
柵が少しずつ上がると、誰かのサンダル履きの足が見えた。彼が鼻をつまんだような声で 「くせぇ!」とでも叫んでいるのだろう。同時に棒で水路の壁に船を遠ざけた。僕は舟と壁に挟まれた頭を何とか抜いて船底にしがみついた。柵が再び降ろされて、水中が泥で濁った。数人のくぐもった声が会話している。息がもたない。しかしここで顔を出せば、いくら暗いからとしても気づかれてしまう。兵士が水の中に鉤爪のついた棒を突き刺している。仕事はしっかりとしているようだった。鉤爪が被っていた袋に引っかかった。異変を察した様子で棒が動いた。僕は身を何度か捻じるようにしてドンゴロスを脱いだ。兵士たちが、それに気を取られている間に息を継いで、舟を川下へと押した。流れるまま声が遠ざかると、背中越し水に濡れた袋が舟に投げ込まれたのを感じた。
舟の陰に隠れて進む。
冷えた体には限界が近づいていた。とにかく早く兵士たちから離れたいが、急げばバレる。それでも気持ちが急く。ゆっくり流れに従うように臭い水路を泳いだ。不意に舟は動かなくなった。鉤つきの棒で止められたのだ。兵士たちが舟を岸へ寄せる。斧も舟に積んだままだ。
殺すしかない。
息を。
ハンドアックスを持ち上げる音が舟底に響いた。こんなところで捕まってたまるものか。冷たさで感覚がなくなる頭上、松明が水面を照らした。ハンドアックスはどこにでもあるものだから、兵士も何の疑問も持たないか、やはり売れるものなら持ち帰るのか。使い古されたものだが、金属はカネになるはずだ。
舟はもやいで固定された。ハンドアックスにも興味がないらしく、乱暴に舟に投げ込まれた。
松明と話し声が遠ざかる。
僕は舟へ上がると、濡れたドンゴロスとハンドアックスを持ち、できるだけ低い姿勢を維持したまま遠くへ逃れた。どこでもいい。まず人がいなければいい。とにかく人のいないところだ。途中、足がもつれて転んだり、泥水を吐いて、その臭さにまた吐いた。裸足の指も爪先もボロボロで、濡れたドンゴロスを被った全身は冷えきっていた。火が欲しい。湯に浸かりたい。彼女とともに旅をし、湯を見つけて、焚き火を見た景色が浮かんだ。僕は知らず知らずに彼女の眠る墓へ向かった。
墓はあちらこちらが土の重みでへこんでいた。それはもう土の中にいた人は骨になっているということだった。石も筒も傾いて、春の雑草に覆われた墓の間を歩いた。夜なのに妙に視界が広がる。ずっと半地下で屠殺していたから、目が慣れてしまっいるのだ。つまらないことを身につけたものだ。動物の殺し方、飢えのしのぎ方、仕事のもらい方、殺されないような働き方、どれも前の世界ではなかった技だ。いずれ役に立つのか。我ながら苦笑した。
首がヒリヒリと痛い。
手に血がついていた。足首にも触れたが、べつとりとしていた。
「そもそも奴隷だったな」
と呟いた。
指で触れると、レイに刻まれたリングがわかるのだが、それに血が流れるように染み込んでいた。
僕はレイの墓を探した。しかしどれも同じようなもので見つけられなかった。印すらない。だんだん空が白んでいく中、何百とある墓の中をさ迷った。埋めたところすらわからないのか。何と薄情な奴なんだ。彼女の脳天気な顔すら忘れた。美月さんの顔もおぼろげだ。どの世界にいても情けない奴は情けないままなんだな。言いたいことも言えず、他人に気を使うふりをして、自分が傷つくの恐れを隠していた。気を使わせていることにすら気づかないでいたんだ。どれも僕が素のままでいられたらよかった。帰る術も知らず、帰ったところでどうなるわけでもなく、この世界で生きていても死んだとしてもどうしようもない。
僕は地面に伏して泣いた。
朝日が空を鮮やかに染めた。
やがて荷車がやって来た。
二人組の影は、ビリケンさんと三つ編みさんだ。僕は彼らをぼんやりと見つめた。彼らも僕を見つけた様子だ。粗末なドンゴロス姿とザンバラ髪を見て、この冬のことを察したようだ。こんなことはよくあることなのかもしれない。
三つ編みさんが手招きした。僕は臆病になっていたのかもしれないし、もう体が限界に来ていたのかもしれない、彼らから少し離れて歩いた。
彼らはここだと指差した。
覚えていたのだ。彼らは僕はすっかり忘れていたのを覚えていた。山の頂上を指差し、街の塔の一つを指差し、両腕を広げて石が崩れた端と端の結び目に墓がある。それが目標だ。彼らは特別に墓を見つけやすいようにしてくれていたのだ。
ビリケンさんが曳いていた荷車は空っぽだった。少し遠く、山に近い方を指差すと、若い男と女が肩を寄せ合い泣いていた。
三つ編みさんは、
「違うところに穴を掘る」
と、力を込めた表情でジェスチャーで教えてくれた。彼らは墓を掘ることを生業としている。僕は土にまみれたビリケンさんの上半身を眺めた。冬は特に墓が増えるようで、新しい区画は土が新鮮だった。振り向くと、古い墓が広がる。たまたま僕は古い墓地と新しい墓地のちょうど境界にいた。
彼女の墓はへこんではいなかった。もう土に新鮮さはないが、ところどころ春の雑草が生えていて、石は露で濡れていた。
そうだ。
この下に財布を埋めたんだ。
僕は石を除けて、固くなりつつある土を掘り返した。まだ形を留めている財布が出てきた。震える手で中身を調べた。街に来たとき、彼女が財布を盗まれたなと懐かしんだ。幸いなことに中身は残っていた。墓荒らしに合っているかのような墓もあるが、ここは貧しい者が埋められるところだ。そんな掘り返せるものはないだろうに。死者は何も持ち合わせてはいないだろうが、服くらいはあるかもしれない。しばらくこの金で過ごせるかと考えた。しかし使う気にもなれず、土の中に戻した。
もういい。
疲れたよ。
膝をついたまま無表情で土を見下ろしていると、視界が揺らいだ。食べるものもほとんど食べていないし、体力を使い、体も冷凍されたように冷えきっていた。呼吸が乱れて、浅く、速くなる。吸っても吸っても息ができていない気がして、考える力が離れた。僕の首からは血が体を流れ落ちる。くすぐったい。まだ肌は感覚がある。首枷を外したとき想像以上に切れたのかもしれない想像などしていたか。焼けるようにうずいた。息をするたび、首が熱くなるような気がした。
これは死ぬかもな。
喉が軋む。
僕は苦しくて、なぜか彼女の墓を掻きむしるようにした。上半身が届かなくなるくらい掘り返し、木製の蓋が見えた。
すると地面が揺れた。強い力で押し上げられる。視界がぐらついて、僕は跳ね飛ばされ、肩と尻から倒れたかと思うと、どういうわけか土に埋もれていた。レイのところに落ちたのかもしれない。このまま彼女と一緒に眠るのもいいと思った。
まだ星がわずかに見える。
空に手をかざした。
紅い瞳が近づいた。
まだ試練があるのか。
蛇か。
未知のバケモノか。
白い頬が照らした。
金か銀の髪、白い頬、アーモンドのような形の目に翡翠の瞳、鼻柱にどこか面影のある怒りの皺。
「だ、誰?」
僕は尋ねた。
本当にわからない。どこかでお会いしましたかというレベルだ。
「オマエ!」
額の紅い瞳が僕を睨んだ。相手の拳がギュッと絞られる。
「苦しい……」
首が締め付けられる。
息が……
あれ?
これは……
藻掻いた手は相手の肌のどこかに触れたが、ますます首が締めつけられた。ついに体は宙に浮いて、止まるやいなや、掘り返された地面に叩きつけられた。そこに顔から突っ伏した僕は土を吐き出した。泥と苔が混じったような生臭さがある。石室の蓋をしていた板が飛んできて、後頭部に跳ねて砕けた。
なせこんな仕打ちをされなければならないんだ。せっかく逃げてきたというのに、報われもしない。
頭に来た。
人影は墓穴に飛び降りると、引きずり出した外套を身にまとい、ゆらゆらと戻ってきた。僕はありったけの力で飛び蹴りを食らわせた。突然のことに、相手も虚を突かれたのか、バランスを崩して墓穴に尻もちをついた。くそったれ。何者かわからないが、失礼は許さないぞ。こっちは死ぬ思いで逃げてきたんだ。怖いものなんて、もうない。組み伏せようとしたとき、みぞおちを蹴り上げられた。喉をつかまれ、後ろ向きに地面に押し倒される。
「シン、ワタシ、殺ス気カ」
片言の日本語が聞こえた。
しっとりとした、少し低い声が耳に染み込んできた。僕の咳は落ち着いた。逆に心臓が落ち着きをなくしていた。肩越しでは見えない。仰向けになると、息を止めた。少し離れていたビリケンさんも三つ編みさんも動きを止めていた。悲しんでいた男と女は、慌てて逃げた。
蘇生を願い、空気穴を差し込んであるとしても、本気で生き返るなんて、ほとんどが信じていない。儀式にすぎないと知っている。
「誰、埋メタ」
「え?」
僕は恐る恐るビリケンさんと三つ編みさんを指差した。
「あの人たち」
二人は慌てて首を横に振る。
「彼ラ仕事。誰、彼ラ命ジタ」
そんなことより、
「誰?」
「忘レタカ」
怖い目が近づいてきた。
「オマエ、ワタシ捨テタ、オマエ忘レタ」
じっと考えた後、
「どちら様ですか?」
「ムカツク!オマエ、金」(独り占めするために)「殺ス、シタ。誰、一緒?仲間、誰イル!」
「だからあんた誰だよ!」
「レイ!」
「は?」
「見テワカラナイカ」
「わからんわ!」
僕は古いハンドアックスに彼女の顔を映した。曇ってはいるが、前との違いくらいわかるだろう。
「誰、オマエ!」
彼女はハンドアックスに向かって叫んだ。逆にそのバカバカしさはレイしかいないなと思った。
僕はレイを抱きしめた。ずいぶん成長して、僕の肩くらいまで背が伸びていた。もともとの黒髪は朝日に金とも銀ともつかぬように輝いていた。肌も瞳も冬前とは違うし、何より額に三つ目の目が開いていた。
また投げ飛ばされた。
「何でだ!」
「オマエ、ワタシ、好キ、ナイ!」(邪魔だから)「埋メタ!」
「違うわっ!」
首が熱い。
足が地面から浮いた。
瞬間湯沸かし器女が!
僕は必死でビリケンさんと三つ編みさんを指差した。が、彼らは荷車と一緒に遠くへ逃げていた。
背中が遠ざかる。
あいつら!
覚えてろ!
また地面に叩きつけられた。今度は彼女が埋められた墓の中だ。生ぬるい土と石で覆われていた。激怒したレイに持ち上げられた土が、僕の体に降り注いできた。
笑けてきた。
生きてるじゃないか。
どういうことだよ。
このまま埋められるのか?
再会できたのに、今度は僕が埋められるのか?
レイに殺されるならいいような気がした。あれほど生きたいと考えたのは、彼女に会うためだったんだとわかった。僕は自分の気持ちを知ることができてうれしいよ。
僕は気を失った。
寒さとひもじさと緊張の中、夜通し走ってきたのだから、すべてが限界に達していたのだ。すでに冷静な判断もできなくなっていた。もう笑いが止まらなくなった。僕は自分の笑い声を聞きながら意識が遠ざかるのを感じた。そのまま倒れた。
ぼんやりした視界に映る暗闇、まるでトンネルの中にいるように、幾筋もの細い光が差し込む。頬にポタポタと落ちる蛇口の水が跳ねる音と息づかい。頭をきつく抱きしめるしなやかな腕、まるで子守歌のような鼓動と汗ばんだ肌。
美月さん……
帰れたんだ。
外套の中、僕は膝枕の上で体ごと覆いかぶさるように腕に抱かれていた。腹に革財布の重みがある。
力のない手で外套の縁を開けようとしたが、腕が上がらない。かすかに開いた間に見えたのは荒涼とした地平線、果てしなく連なる土まんじゅうの列、遥か彼方で冷たくたたずむ山脈。そこに武骨な顔が、ぬうっと現れた。ビリケンさんと三つ編みさんの顔だった。一瞬で絶望と希望が混ざった。自分の喉から乾いた笑いが漏れた。
「シン…」
かすかな声が聞こえた。
「心配ナイ」
それから知らない言葉がどんどん聞こえた。レイが泣いていた。
蛇口の水ではないんだな。
美月さんの涙でもないのか。
まだ知らない世界にいるんだ。
それでも安心した。まだ帰れなかったという失意よりも、レイが生きているということが勝るのはどうしてだろうか。わずかに一緒に旅をしてきただけなのに、彼女が生きている感動が染み渡る。それにしてもなぜ生きているのか不思議だ。なぜ泣いているのかも。なぜ泣いている?
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