33.パーティー対抗戦④
ディアは走ってくるルグリアに対してスキルを放った。
「大したダメージじゃねぇぞ!!!」
炎を全て放ったディアだったがそれらの攻撃は防御力が大幅に増加しているルグリアにとってそれほど気にするようなダメージではなかった。
だがディアはこんなところで諦めるなんてつもりはない。
再びスキルを放つ準備をする。
「
ドカーンッ!!!!
大きな爆発が起こる。
ディアはこれだけではルグリアを落とすことが出来ないと既にわかっていた。
なら限界まで全て出そうと覚悟をするディア。
「
ドカーンッ!!!
「
ドカーンッ!!!!
「
ドカーンッ!!!!!
一発一発が正確かつ高火力でルグリアの
それなのにも関わらずルグリアは爆発の中を突き進んでいく。
「これでもまだ耐えるの!? しぶとすぎ」
「ここまで来たらあとは我慢だぜ」
爆発が止みルグリアは剣を持ちながらディアの方へと走っていく。
対するディアはスキルを連続で使用したことでかなりの体力を消耗した。
これ以上の体力を消費するわけにはいかないと考えたディアはスキルの使用を一時的に止め攻めてくるルグリアに対して正々堂々と短剣で迎える。
「おらぁああああ!!!!!」
二つの剣はぶつかりあい戦いの勢いを増していく。
ルグリアは剣に体重をかけディアの剣を押していく。
ディアも負けじと力を込めルグリアの攻撃を押し返そうとするががたいの良いルグリアの力に到底勝つことは出来ない。
「貰ったわ!」
「!!?」
ディアはこの戦いの中であることに気づいていた。
ルグリアは攻撃力や驚異的な防御力があるのだがそのかわりに速度がそれほどまで高くはない。
ならば速度で隙を作り硬いその体に剣を突き刺す。
「お、追いつかない!!」
「これで終わらせるわよ!」
移動しては攻撃をするというのを繰り返すディア。
攻撃が体に当たらないように必死にディアからの攻撃を防ごうとするルグリア。
二人の攻防は十二秒ほど続きついにはディアの短剣がルグリアの体に触れた。
するとディアの手に何かが壊れた感触が伝わる。
それはルグリアの
「残念だな」
だがしかしスキルが切れたのはディアの剣が刺さったあとの出来事でありその攻撃は当たってはいなかった。
「これで終わりだ!!!!!!」
ルグリアは隙だらけになったディアに向かって剣を振る。
その時、ディアは「
「お前……やってくれたなァァァ!!!!!!」
ルグリアはとっさに後ろを向きディアのスキルを防ごうとしたがそこには何もなかった。
「残念!」
「!!!!?」
スキルを発動すると思わせルグリアの隙を作ったディアは柄頭で思いっきりお腹めがけてぶつけた。
「うぐッッ」
そしてルグリアは地面に倒れ込んだ。
「おっと、ここでまたしても一人脱落です。残り二人どうなるのでしょう!!!!!」
@@@
「救ってもらうだけに留まらずこうして戦えるなんてとても嬉しいです。きっとナフィーさんに到底追いつけないですけど私、やれるだけ全力で挑みますから!!」
「その想いしっかり受け取った! さぁ、かかっておいで!!」
アリアは剣を一度強く握りしめてナフィーのもとへ走っていく。
「何かする気だね」
「
アリアは一瞬にしてナフィーの真上へと飛び跳ねた。
「!!?」
そのまま下へと重力に従い剣に体重を乗せナフィーに物凄い勢いで近づいていく。
「これ喰らったらなんかまずそうな気がするから邪魔するよ!!!」
双短剣を取り出したナフィーは真上を眺め何かをしようとしている。
それに気づいたアリアは行動させまいとさらに速度を上げて降りてくる。
「ナフィー流 ”
双短剣を大きく動かすとまるで双頭の竜が空を目指して上っていくようなそんな姿がうっすらと見える。
そしてその竜はアリアにぶつかる。
だが互いに押し合い拮抗した状態になっていた。
「こんな……とこで……負けられない!!!」
「これ以上は止めといたほうがいいよ。怪我をしちゃうから」
「私は……弱いんです。弱いから、諦めちゃいけないんです」
「ときには諦めも重要。それが冒険者として生きていくってことだよ。少なくとも私はそう思ってる!」
「私達は即席パーティー。本来即席パーティーは個々の実力があるからこそ成り立つもの。みんな強いのに私だけ弱い。これ以上迷惑はかけてはいられないんです。だから……だから!!!!!!」
アリアの自身の弱さに対する気持ちは誰よりも強かった。
その想いが次第に力へと変わり可能性を生み出す。
「私は弱いまま負けたくはない!!!!!」
ナフィーの竜は少しずつ押されていく。
「まるで昔の私みたい。それこそ冒険者のあるべき姿!! 君はきっといつか良い冒険者になれる! ダンジョン都市一番の鍛冶屋の娘がそう保証しよう!!!」
「……はいっ!!!!」
ついにはナフィーの竜は砕け散りとてつもない速さでアリアは近づいていく。
そして、
ドカーンッッ!!!!!
と大きな音と砂埃を起こした。
「これは一体どっちが勝ったのでしょうか!!!!!!」
司会者の声により観客席にいる人達も砂埃の中を良く見つめだす。
そして砂埃が徐々に消えていくとそこには地面に倒れる一人の女性とその近くに座る女性の影が見え始める。
「一撃必殺の攻撃によって起こった砂埃の中、勝ち残ったのは――ナフィー!!!!!!」
「そう言えば前に武器を作って欲しいって言ってたっけ。いつでもおいでよ。作るから!」
「……勿論です!」
「あっでももしかしたお店にはいないかもしれないから私達の拠点に来てね」
「はいっ!!」
残された戦いはエトとエトの名前を知る不思議な男。
そして今、決して負けられない二人の戦いがクライマックスを迎えようとしているのであった。
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