第4話 惑星エデン・地理

 安定陸塊パンゲア・エデン中央に複数の地溝帯と海嶺、海溝が生まれ、大陸が五つ、亜大陸が九つに分裂、大小十四の大陸の周囲にはその他列島、諸島、環礁が生まれ、あるものは海溝に沈み、プリュームテクトニクスの循環で再び地表に出現し、あるものは波による浸食で姿を消し、あるものは大陸の河川が運んだ土砂が堆積して地続きになった。

 パンゲア・エデンの北端に位置した小陸塊ハフリンガーは、地溝帯が活性化したごくごく初期に分裂を始め、他の陸地と接触することがないまま極北から北極点を通過、南下を始めた。

 疑似的に氷河期を経験したことがハフリンガー亜大陸の恐竜の衰退とサピエンス、ミアキスヒューマンの目覚ましい進化を促したのかもしれない。

 ここから南下を始めたハフリンガー亜大陸は、分裂したパンゲア・エデン最大の陸塊、エクウス大陸の西岸に衝突、エクウス大陸側のプレートがめくれ上がる形でバルバリ褶曲山脈が生まれた。


 当時のハフリンガー亜大陸北部にはオルコック山岳地帯の森林を水源とするシャイヤー河が運んだ三角州と浅瀬が存在した。河口に強い亜寒帯寒流が流れ込むようになり、急速に土砂が海洋に流出していき、三角州は入り江に変わった。また川は隆起を繰り返すたびに浸食し河岸段丘を生みながら徐々に後退していき、最終的に河川流域は元来の水源だった域まで深く切れ込んだ湾になった。川は水源からすぐに滝となって海に注ぐだけになった。こうして生まれたシャイヤー湾は亜寒帯高圧帯の影響もあって段丘の沿岸には地中海気候、内陸には岩石砂漠と広大な草原が生まれた。ハフリンガー大陸南西部の丘陵地帯には赤道から流れてくる暖流と貿易風の影響を受け、熱帯雨林が育まれた。


 一方、何億年もの間暖かい海域にあったエクウス大陸はほぼ全域にわたって湖沼が広がる恐竜、鳥類の楽園であり、西側の海域には頭足類、節足動物を捕食する回遊魚、魚竜、海竜が定住、生息していた。

 ハフリンガー亜大陸の衝突によって褶曲山脈が生まれたことにより、偏西風の流れが変わった。大陸は異常高温と大寒波が交互に訪れるようになり気候が激変した。

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