第5話
僕は考えてる。此処から逃げる方法を。
このゲームは厭らしい。人間は社会的動物だ。だから、仲間同士で行動する方が、行動面的にも、精神的にも安定する。だが、それを許さない。
赤茶けた大地には、何も無い。一人一人に住処が与えられているけれど、無作為に移動してしまう。だから、仮に協力者を得れたとしても、続ける事が出来ない。
そして、生活していく為に必要なもの、これは人を殺さないと得ることができない。食料も水も、衣料も何もかもだ。
此処で生きていくためには、どうしてもその日出会った人を殺さなくてはならない。最後まで生き延びれば、外に出られると言うが、本当だろうか。こんな事をするやつを、信用する気にはならない。
僕は考える、考える。
今日も何とか生き延びた。住処に食料の入った箱を持ち込む。今日は珍しく虹色の箱だ。
箱の蓋を開ける。食料に混じって虹色の珠があった。何だか、美味しそうで思わず口にしてしまった。それは、新しい能力の付与だった。
力は、魔法だ。炎を放てるようになった。え、他の人たちも、こんな力を手に入れたのか ?
いや、今迄会った人達で魔法なんて持っていた人はいない。今がチャンスかもしれない。
箱の一番下に、一枚のカードが置いてあるのを見つけた。
『籠ノ鳥ハ、囀レバヨイ』
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