中ボスがラスボス越え!? 自由な最強譚!

『中ボスはラスボス倒して最強ダンジョンを手に入れたので、好きに生きるとのことです。〜ラスボス倒した俺がラスボスってことでいいよね?最強の力とダンジョンの財力と兵力で好き勝手に楽しもうと思います〜』を読んでみて、まず思ったのは「この自由さ最高だな!」ってことでした。
普通の作品だと、ラスボスを倒すのは勇者だったり主人公側のキャラですけど、この作品ではまさかの“中ボス”がラスボスをぶっ倒すところから始まるんです。その時点で「え、どうなるの?」と一気に引き込まれました。しかも倒した後は「じゃあ俺がラスボスでいいよね?」ってノリで開き直るのが面白くて、思わず笑いました。
主人公は最強の力とダンジョン、さらに財力と兵力まで手に入れてしまうんですが、やることが「世界征服!」とかじゃなくて「好きに生きる」なんですよね。強大な力を手にしたのに、変に気負わずに自分の欲望に正直で、好き勝手に遊んだり楽しんだりする姿がむしろ魅力的でした。圧倒的に強いのにどこか人間臭い感じがして、すごく読みやすいです。
ダンジョン経営とか兵力をどう使うかっていう部分も面白かったです。バトルだけじゃなくて「どう活用して楽しむか」という要素があるので、読んでいて飽きませんでした。自分だったらこのダンジョンで何をするだろうって想像するのも楽しいですね。
シリアスさとか敵の怖さみたいなのはちょっと薄めですが、その分テンポが軽快でサクサク読めるのが魅力。難しいことを考えずに「最強主人公が自由に生きる様子を気楽に楽しみたい!」って人にはピッタリの一冊だと思います。