中ボスはラスボス倒して最強ダンジョンを手に入れたので、好きに生きるとのことです。〜ラスボス倒した俺がラスボスってことでいいよね?最強の力とダンジョンの財力と兵力で好き勝手に楽しもうと思います〜
マロ
第1話 転生
「あぁ、今日も疲れたなぁ。」
俺は早乙女 仁、30歳独身。しがないどこにでもいるサラリーマンだ。
今日はかなり残業してかなり注意散漫になっていた。
だからだろうか、凄まじいスピードでこちらに向かってくる大型トラックに俺は気づくことはできなかった。
キィー!ドカーン!!
そして俺は、仕事帰りの夜中に横断歩道を歩いていたら、大型トラックに轢かれてしまった。
不思議と痛みはなかった。凄まじい衝撃と倒れてから溢れて出てくる流れる温かい自分の血に浸かって俺は意識を失い、俺の人生は終わった…はずだった。
目を覚ますとそこはゴツゴツとしたとても大きな洞窟の中にいた。真後ろには骸骨の彫刻などがされている重厚で大きな扉がある。
「あれ?俺生きてる?」
あれ?声が違う…
それになんだかとっても臭い。腐敗臭がする。
「あっ、俺が臭いのか。」
この腐敗臭がどこから匂っているのか探ってみると、なんと自分から匂っていた。
そこでようやく自分の体を確認した。
真っ白な身体に、肩にかかるくらいの真っ白な髪の毛。身長は180センチくらいか?結構高いな。格闘家のような綺麗な身体付き。顔は鏡がないからわからない。首から大きな鍵をぶら下げている。
そして自分から漂う凄まじい腐敗臭。
うん。これ俺の身体じゃない。
おれは170センチのちょっとお腹が出てる黒髪サラリーマンだ。全く情報が合致しない。
まさかこれ…転生ってやつか?
最近ラノベで少し嗜んでいたけど、あれは空想の話で…
「と、とりあえず、周りに誰かいないか歩いてみるか。」
真後ろの大きな扉は本能が言っている。
絶対に入っては行けないと。
これだけはなんとなくわかる。怖い。あの扉が。あの扉の奥が。
もう一つ本能が告げているのは、鍵を守れ。
この二つが俺の本能が告げていること。
もう意味がわからない。
洞窟の中はとても広く、天井もとても高い。そしてなぜか明るい。
それにしても、この身体すごいな。5時間は歩いただろうか、結構歩いてるのに全く疲れない。
景色は相変わらず、洞窟が続くだけでなにもない。
「ここはどこなんだ?」
またしばらく歩いていると、ズシン!ズシン!と大きな生き物があるく音が聞こえてくる。
な、なんだ!?
洞窟の曲がり角から現れたのは腐敗したドラゴンだった。
うっ、凄まじい臭いだ。
こいつはなんなんだ!?
そう思ってこのドラゴンを見たら目の前に半透明な青い画面が出てきた。
名前:終末の死龍 イータル
レベル:500
ランク:SSS
HP: 780000
MP:700000
攻撃力:85000
防御力:48000
敏捷:60000
精神:80000
スキル:死龍 死属性付与 不滅 不死 ドラゴンブレス トップモンスター 死の魔法Lv10 魔道Lv10
特記:死の迷宮最下層のモンスター。死を振り撒く死龍 イータル。
決して近づいてはならない。
やばいのきたー!!
あっ、これ死にました。
2度目の人生死ぬのが早すぎるって!
死龍イータルはそんな俺をチラリとみてズシン!ズシンと通り過ぎていった。
え?襲われないの?
「よ、よかったぁ。」
緊張が溶けて腰から砕け落ちて女の子座りをしてしまう。
それにしてもステータスとかあるんだ。
あと、ここ死の迷宮って言うんだ。
俺は俺の身体を集中してさっきみたいにみる。
名前:終末のイーター
レベル:ー
ランク:SSS
HP: 1080000
MP:97000
攻撃力:35500
防御力:48000
敏捷:160000
精神:78000
スキル:イーター 死属性付与 不滅 不死 トップモンスター 死の魔法Lv10 捕食Lv10 触手Lv10 堅骨Lv10 魔道Lv5 絶縁魔体 形態変化 鑑定
特記:死の迷宮最下層玉座の門番。全てを喰らい己の糧にする。
決して近づいてはならない。
えっ、もしかしてさっきの龍よりおれ強いんじゃね?
この特記を見るとおれラスボス手前の中ボスポジションなのか?
ん?もしかして俺…人外か?
正直仕事はきつかったし親とは疎遠。彼女がいるわけではないし、友達が多かったわけではない。
元の世界に未練はあまりない。強いて言うなら貯めてた貯金を使わずに死んだのが心残りだ。
だからって、人外に転生というのは…
転生するなら、できるならイケメン王子や貴族に転生するのが普通なんじゃないのか?なんでくっさい人型のモンスターに転生しなきゃいけないんじゃ!
あれから何十年が経っただろうか…
俺はまだこのダンジョンにいる。
なんでかだって?…出られないからだ!
上の階層に続く階段はあるのだが、ある階層から上は全く入れないのだ。足が動かないのである。どうやっても無理だった。おそらくそこから先が上層なのだろう。俺は最下層の魔物だからここからは出られないのだと思う。
暇つぶしにそこら辺にいるゾンビを殴る。
殴られたゾンビは爆散して汚い赤い花火となる。
こいつは最下層に1番多くいるトゥルーゾンビSランクの魔物だ。
俺は背中から触手を出して、倒したゾンビを食べる。
俺の触手は先っぽに牙が並んだ口がついている。それでゾンビを丸呑みにする。正直まじで気持ち悪いし怖いと我ながらに思う。
ちなみに、おれはかなり強かった。
俺にはレベルはないが、食べるたびに強くなるのを感じる。まぁ、最下層の最下層にいる死龍イータルクラスのやつは戦えばワンチャン負けるかもしれないから戦いは挑まないし、挑んだことないが…
あー、どうしよう。暇だー。
今日も俺は下層ギリギリの階層でうだうだしていた。
ちなみに俺にも趣味がある。宝物集めだ。
ダンジョンといったら宝箱だろう!例に漏れずここにもときどき宝箱があった。それを見つけて集めるのが俺の趣味だ。
もちろん、今もお気に入りを身につけている。
不死のローブ
ランク:レジェンド
死の概念から着用者を守る。このローブを着ている間は不死となる。もちろん防御力も高い。死の魔法の消費MPを大幅に削減し、効果を増大させる。
死王の指輪
ランク:レジェンド
理性のないアンデットモンスターを使役することができる死王の指輪。死の魔法の消費MPを大幅に削減し、効果を増大させる。
絶望の黒靴
ランク:レジェンド
その足音は聞いたものを恐怖に陥れる。なお、魔力入れて歩く時に限る。
敏捷+1500する。
全てを恨む呪殺の剣
ランク:レジェンド
切られたものはランダムの最高位の呪いにかかる。
攻撃+2000
ちなみに楽しみはこれしかない。
コツン、コツン
ん?足音?これは…ゾンビの足音じゃないぞ!!それも複数だ!
俺はすぐに足音ある方向に向かった。
「やっとここまで来たわね。ここから先は人類の未到達領域。まだ誰も踏み入れていない階層よ。」
魔法使いのような大きな杖を持った女がそういった。ちなみに耳が尖っている。
「あぁ、死の迷宮。別名ラストダンジョンと呼ばれるほどの最高難易度のダンジョン。勇者の僕でもここの魔物は手に余る。」
純白の鎧を来た青年が答える。
「ここから先、アンデットが多いのでしょうか?それならば、力になれそうです。」
シスターのような少女が拳を握りそう言う。
おそらく僧侶だろう。
「まぁ、無理せず行こうや。」
筋肉もりもりの武闘家風の男が肩を回しながら言った。お尻には犬のような尻尾が生えている。
「みんなは僕が守るよ。」
ところどころ鱗が生えているドラゴンの翼が生えている女性が盾と剣を構えてそう言った。
こ、これは、勇者パーティーじゃないか!?
すごい!エルフと獣人がいる!あの子はドラゴニュートとか言うやつかな!
駆け寄ろうとしたが、すんでのところで止まる。
待てよ、今おれは魔物。向こうは勇者パーティー。あれ?俺ってー、敵?
…ど、どのくらい強いのかな?ちょっと様子を見るか。
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