第48話 神話のゴーレムVS スケルトンドラゴンキメラリッチ

「うざいなぁ。」

玉座の間にいる俺が呟く。


時々、死龍 イータルさんを呼び出そうと召喚魔法を使われて、100層以降にかけらている数多の防御魔法に引っ掛かり弾かれている。


これがめちゃくちゃうざい。


死龍 イータルさんはお話ができる。今は俺の言うことを聞いてくれてはいるが、おそらく外に出たら世界を滅ぼす気満々である。

もしも何かの弾みで外に出ることを許してしまったら俺が止めに行くまでの間でも凄まじい被害が出るだろう。


だから、毎回この召喚魔法が飛んでくるたびにひやひやするのだ。もしも、死龍 イータルさんが内からタイミングよく防御結界を魔法的に妨害すれば、もしかしたら召喚が通りされるかも知れないのだ。イータルさんならそれができちゃうかも知れない。

だから、そろそろこの召喚魔法を辞めさせたい。


「アステリア、この召喚魔法はどこから飛んできているか特定できるか?」


「はっ、造作もありません。…どうやら大魔王 ダイヤが治める国 龍の国より放たれているようです。」

アステリアは地図を持ち出して、龍の国を指差した。


「おいおい、めんどくさいところから飛んできてるな。」




こういうことがあるから外にも干渉できる地位をまずは早めに築いたほうがいいと思う。そうすれば、俺の本当の身元は割れないし俺の1人の力だけではなく、色んな形で他の勢力に干渉できる。


白銀やスケさんでは発言力、地位が弱すぎる。



魔王ナクアが治める広大な森林を抜けて少し行ったところにだれも寄りつかない広い荒野がある。

ここに俺の外の城を建築しようと思う。別に俺いい土地に領地をもつ意味ないし。領民を持つ気もなければ、農業とかやるつもりもないし。


ここには人間の国も亜人や魔物の国もない。

大した動物や魔物もいない。










ただ一点気になるのは。


荒野の中心に馬鹿でかいゴーレムがいることだけである。




うん、絶対こいつが暴れ回ったでしょ。


名前:AG-01

レベル:
ー

ランク:S


HP: 500000

MP:
300000

攻撃力:5000

防御力:10000


敏捷:1000

精神:
ー

スキル:破壊光線Lv10、生命探知、魔道Lv2、自己修復Lv10


特記:遥か昔に滅びた国の最終兵器。


やばいな。さすがにこいつがいては俺の城を建築できない。


仕方ない、倒すか。


俺は隠蔽の結界を展開する。

さすがにこの荒野全体を覆う結界は維持が難しいので、高位魔法が使えるモンスターを数体と大量の高価なマジックアイテムを使って隠蔽の結界を展開した。

このゴーレムを倒すのには、大きな音やこれから使う凄まじい魔法の魔力で諸国にバレては大変なことになりそうだらかな。


俺はスケルトンドラゴンキメラリッチの姿で転移して、ゴーレムの前に降り立つ。


ゴーレムの眼光が光り、ゴーレムが動き始めた。



「ゴーレムにはどんな魔法が有効なんだ?爆発魔法かな?」


「ハイエクスプロージョン」

俺がそう唱えると強大な爆発の力を秘めた魔法が四つ現れゴーレムに放たれる。


凄まじい爆発と爆風が吹き荒れゴーレムに当たる。

なんの金属かはわからないがゴーレムの身体の金属が大きく抉れる。


しかしゴーレムの自己修復機能でみるみる修復されていく。


「硬いな。」

ゴーレムの口が開き、砲口が出てくる。光を発して俺に破壊光線を放つ。

俺も終末のイーターの時によく使っていたが、破壊光線は極めて強力な攻撃だ。その光線に触れたものは魔法防御や身体の防御力はほぼ無視で破壊されていく。だから破壊光線は基本避けなければならない。それか特殊なスキルか最高位の魔法で相殺するかしなければならない。


「破滅の光線」

俺は触れたものを破滅させる黒い光線、最高位の魔法 破滅の光線でゴーレムの破壊光線を相殺する。


「アシッドレイン」

俺は魔法で強力な酸性雨を降らせる。ゴーレムに有効なようでゴーレムの身体から絶えず煙が上がる。

荒野だからあまり気にせず魔法を使える。楽しいなぁ。


ゴーレムが巨大な拳を振り上げ俺に振り下ろす。

まるで巨大な隕石みたいだ。


「ドラゴニックパワー!スキル 死龍、ドラゴンブレス!」

俺の頭は強力な龍の頭蓋骨をキメラの素材として使っている。だから、龍の力が俺にはある。


俺はドラゴニックパワーで龍の力を上げ、スキル 死龍で死属性のドラゴンブレスを放つ。


俺の極限まで力を高めたドラゴンブレスは最高位の魔法を凌駕する威力を持つ。

振り下ろしたゴーレムの拳を俺は放ったドラゴンブレスで粉砕する。


ゴーレムは大きく仰け反る。


「ハイエクスプロージョン。」

俺は爆発魔法で畳み掛ける。


ゴーレムの身体の色々な部分が開き、そこからミサイルが飛んでくる。そのミサイル一つ一つがハイエクスプロージョンと同じ威力を持ち、俺のハイエクスプロージョンを相殺した。


「終わりにするか。ニュークリア・エクスプロージョン。」

俺はゴーレムが仰け反り体制を整える隙に極大魔法を構築する。

俺の手のひらに豆粒大の青い光の玉ができる。

俺はそれをゴーレムに放つ。


ゴーレムの腹にそれが当たると青い光が一帯を畳み込み凄まじい爆発音と信じられない破壊がもたらされた。


ゴーレムの巨大な身体は四散し、ゴーレムは沈黙した。


地面には数キロに及ぶ凄まじい大きさのクレーターができている。


「ふぅ、やっと倒したか。おや?」

ゴーレムの瓦礫の中に俺は手のひら大の赤い玉を見つけた。

その赤い球はゴレームの中のもっとも深いところにあり、強固な防御魔法で守られていたようだが、ニュークリア・エクスプロージョンを受けてひび割れており、触れたらその防御魔法も砕け散ってしまった。


「このゴーレムの核か?これは、まだ使えそうだな。」

俺はその核を持ってカラカラと笑った。

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