第12話 冒険者登録
さぁ、来たぞ!冒険者ギルド!
まぁ、アリアと一緒にいつも通ってはいるのだが…
俺は冒険者ギルドの扉をあける。
ガヤガヤと冒険者達が話しているのが外まで聞こえていたが、俺が入った途端話し声がぴたりと止んだ。
そして視線が俺に集まる。
あ、やっぱりこの鎧やりすぎたわ。すごい視線を感じる。
居心地の悪さを感じながらも俺は受付に向かう。ちょうどお昼時で列もなかった。
朝は依頼を受注するために、夕は依頼達成の報告のためにかなり並んでいるが、昼時はいつも空いていた。
俺は受付の前に来た。いつも担当してくれている美人の受付嬢だ。
「あ、あのう。騎士様、なにか当冒険者ギルドに御用でしょうか?」
「冒険者登録をしたい。」
「えっ?もう一度お願いできますか?」
受付嬢は聞こえていたが、自分の聞き間違いであろうと思いもう一度聞き直した。
「冒険者登録の手続きをお願いしたい。」
「あ、はい!わかりました!ではこちらの書類にサインを!」
受付嬢が書類を出して俺の前に出す。
俺はスラスラと書類を書いていく。
ん、名前か。どうしようかな。
…普通に生前の名前でいいか。
「ジン様ですね。職業は…魔剣士でよろしかったですか?」
「あぁ、それで構わない。」
絶対魔剣士で書こうと思っていたんだ!
「わかりました、ではそれで登録致します。登録料3000G頂きます。」
俺は3000Gを支払う。
「では、こちらが冒険者の証と冒険者カードとなります首飾りです。これは常に首から下げていてください。冒険者カードは冒険者としての身分証となります。冒険者のランクは下からF、E、D、C、B、A、Sと魔物と同じように上がっていきます。」
俺はFと書かれた首飾りと冒険者カードを受け取る。
「ふむふむ。ん?魔物と一緒のランクの設定ならば、SS、SSS級はないのか?」
「えっと、確認されている魔物のランクで最高はSです。SS?は聞いたことありませんが?」
受付嬢は首を傾げた。
「そ、そうか。なんでもない。では、早速依頼を受けたい。なにかいいものはあるか?」
「では、まずギルドの説明を致しますね…」
それから俺はギルドの説明を受け、ゴブリン1匹の討伐依頼を受けた。
もちろんすぐに終わらせて、報酬を受け取った。
その後適当な宿を長期間借りる契約をして俺はスケさんに戻った。
土からスケルトンが這い上がってくる。
…完全にホラーだ。
俺は川で体を洗ってからアリアのもとに帰った。
それから足繁く冒険者ギルドに通い依頼をこなしていった。
依頼をこなしてはその報酬でギルド内の酒場でご飯を食べ、またこなしてはご飯を食べた。
そしてある噂が流れ始めた。
あいつ実は弱いんじゃね?と。
俺がゴブリン討伐しかせず、ずっとソロで活動しているためそんな噂がたち始めた。
少し俺をからかうような連中も現れおれも笑って許していたのも原因かもしれない。
そして、今日もゴブリンを倒してその報酬でステーキを食べていたところに、またあいつが来てしまった。
奇跡の剣 のAランク冒険者アッシュ。
「おいおい、すげーいい装備してずっとゴブリン狩ってるやつがいるって聞いたんだが、お前かぁ?」
俺に肩を組むようにして話しかけてきた。
「あぁ、仕事した後の食事はうまい。お前も食うか?」
そう言って俺は切り分けたステーキをアッシュに差し出した。
ちなみに本当にうまい。数十年料理という料理を口にしていなかったおれの味覚が歓喜の声を毎回食事であげている。
パシッ!
アッシュは差し出してやった俺の手を払い、切り分けたステーキを地面に落とした
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