第10話 召喚スキル
俺は自由に動き回りたい。
でも、アリアお嬢ちゃんとも離れたくない。
アリアが旅に出ることはできないだろうし、俺も自由に動き回りたい。なので、アリアには一つスキルを覚えてもらう。
以前から考えていたんだ。アリアにはスキル:召喚を覚えてもらおう。ダンジョンで宝箱を開けてもらいスキルをゲットしてもらおう。
だから、アリアがダンジョンに行くときを伺っていた。
「スケさん、今日はダンジョンにいってレベル上げをしますわよ!」
おっ!来た!
ーわかったー
俺たちは死の迷宮の上層で狩りを行う。
ーアリア、ここに扉があるぞー
そしてあらかじめ設置しておいた隠し扉を俺がわざと見つけた。
「え!?すごいよ、スケさん!これ中にお宝あるんじゃないかしら!行ってみましょう!お宝を独り占めよ!」
あるよ。
なんか危なっかしいな。
もちろん、罠もモンスターもないので宝箱だけドンとある不自然さ。
ゲームだったら超罠を疑う不自然さ。
「あったわ!!」
もちろんお嬢様は不用心に近づき、すぐに宝箱を開ける。
うん、誰か仲間がいないとこの子死ぬ。
宝箱を開けると光が宝箱から溢れる。光はアリアに吸い込まれる。
「わぁ!これはスキルですわ!!なにか覚えてみたい。他にもなにかありますわ!」
大召喚メダル
ランク:ロスト
強き何者かを呼び出すコイン。呼び出せば汝の危機を救う助けとなろう。
力の満ちた世界樹の小枝
ランク:ロスト
なにかの素材にするのにも、魔法の媒体にしても最高級品。
力が満ち満ちていた時代の世界樹の小枝。
「なんか枝とメダルもありましたわ!教会に行って鑑定してもらいましょう!もしかしたら遺物級かもしれません!」
ちなみにアイテムのランクは
ゴッド
レジェンド
ロスト
遺物
最上級
上級
中級
下級
低級
がある。
ゴッドはあの死神さんが持っていた鎌 デスサイズ とか神が持っているようなアイテムだ。レジェンドは伝説級の凄まじい力を秘めたアイテム。ロストはもう手に入ることがないほど貴重なアイテム。遺物は現代の技術では再現不可能なアイテムだ。最上級は現代の技術で最高作れる最高品質のアイテムって感じだ。
今回アリアのために用意したアイテムはロスト。かなりいいものだ。コインで召喚されるのはもちろん上級モンスターを依代にした俺だ。
小枝は杖にしてもらおうと思ってプレゼントしました。
二つとも売れば一生困らないほどのお金になるだろう。アリアはもう冒険者としては大成功した部類である。
まぁ、アリアお嬢様はお金持ちだからお金にしないと思うが。
「ロストですってぇ!!!」
教会で鑑定をしてもらったアリアは叫び散らかしていた。
「は、はい!これは大召喚メダル、力の満ちた世界樹の枝です。二つともロスト級の品です。」
神官も震えながら言っている。
ちなみに物が物なので防音の魔法が施された別室に案内されている。
「ロ、ロスト級っていったら国宝級の品ではないですの!?なんであんな低層に!?」
ありゃ、思ったよりやばかったかな?
「こ、このことは絶対話しちゃダメですからね!わかりました!?」
アリアは神官に詰め寄る。
「わ、わかりました。私も伯爵家のご令嬢を敵には回したくないので。その代わり私が鑑定したということも誰にも言わないでください。」
どうやら神官の方も面倒ごとに巻き込まれたくはないようだ。
「ん〜、どうしましょう。これ絶対家の人に報告した方がいいですわよね?でも…」
アリアは伯爵家に報告するべきかどうか迷っているようだ。
ー自分で使っちゃえよ、アリアが手に入れた物なんだからー
「そうですわよね!私が手に入れた物ですもの。私の好きにしていいですわよね!」
アリアお嬢様、意外と強欲だな。
ーそれよりも召喚ってスキルを覚えたみたいでよかったなー
そう俺はこっちが本命。アイテムはおまけにすぎない。
「えぇ!そうですの!これでスケさんが離れていてもいつでも呼び出せますわ!それに物とかも呼び出せるみたいですの。冒険が捗りますわぁ〜。」
神官にはアリアも鑑定してもらった。
名前:ハードル・アリア
レベル:8 職業:魔法使い HP: 100
MP:80 攻撃力:20
防御力:25 敏捷:50
精神:85 スキル:テイムLv2 召喚Lv5 魔法Lv2
特記:ハードル伯爵家の令嬢。
弱い。弱すぎる。
召喚はある程度レベルがないと俺を召喚できないので、ある程度レベルがある状態で付与した。
ーアリア、話があるんだー
俺はベッドの上でアリアに話しかけた。
「ん?なにスケさん。」
ーたまには俺も外の世界に散歩に行きたいんだ。アリアは召喚も覚えたし、俺をいつでも呼び出せる。だめかな?ー
「…いいですわよ。その代わり!お出かけする時は私に一声かけること、召喚には必ず応じること、あと、これをつけてください。」
そう言ってアリアは首輪を差し出した。
って、え、首輪!?
「急いで作らせましたの。これがあればどこにいても誰かの従魔であることがわかりますわ。首輪にうちの紋章もつけましたので、よく見れば我が家の従魔であることもわかります。」
あっ、なるほど。確かに街中を魔物が歩いていたら不自然だもんな。これをすれば街中も歩けると…いいな!!
俺は早速首輪をつけた。
…なんか白骨化した囚人みたいじゃないか?
「じゃあ、お出かけする時は声をかけてくださいね。あと、悪いことは絶対しちゃダメですからね!」
ーわかった、ありがとう!ー
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