第8話 ゴブリン討伐とA冒険者アッシュ
「「「喋った!!!?」」」
ふふふ、驚いてる驚いてる。少し溜飲が下がるな。
次の日俺たちはゴブリンのいる城下町の外の森に向かった。
「いた!みんな隠れて!」
先行していた斥候のリカがゴブリン達を見つけたようだ。
「結構な数いるわね。」
僧侶のアムがそう呟く。
確かに見たところ30匹以上はいる。
「んー、俺たちだけじゃ厳しいか…」
リーダーのヤームが難しいそうな顔をして言う。
鑑定!いやいや、余裕だろ!
名前:ゴブリン
レベル:2
ランク:E
HP: 50
MP:5
攻撃力:21
防御力:15
敏捷:30
精神:8
スキル:繁殖
特記:森にいる普通のゴブリン。大抵群れでいる。
こんなのが30体だろ?いけるって!なんなら俺1人でも行けるわ!
ー俺が倒そうか?ー
「え?あれ全部倒せるのかい?スケルトンならゴブリンと同じランクのはずだけど…」
ヤームが驚いたような顔でこっちをみる。
確かに同じランクだが、俺はダンジョンポイントでスキルとステータスを底上げしている。
「スケさんなら大丈夫ですわ!」
「まぁ、マスターがそう言うなら…その代わり危なくても助けに行けないけど、大丈夫かい?」
ーあぁ、危なかったらアリアを連れて逃げてくれー
おれはそう言ってゴブリンのところに行った。
「ギィ!」
ゴブリンがこちらに気づいて敵意を向けてくる。
俺はゴブリンに向けて駆け出した。
ゴブリンは俺に向けて持っている木の棒を振りかざす。
俺はこれをひらりとかわし手をゴブリンの胸に背中からブッ刺す。
すぐに腕を払ってブッ刺したゴブリンを捨て、迫ってきていた違うゴブリンを剣を抜いて斬りつける。
右から来たゴブリンに蹴りを放ち、的確に首を狙い、首を折る。
ゴブリン達が一斉にこちらに攻撃を仕掛けてくるが、俺は恐怖のオーラを放ちゴブリンの動きを止め、そのゴブリンの首を刎ねる。
ちょっと魔法が欲しいな。でも、魔法使い出したら、アリアが使役するモンスターとしてはちょっと強すぎるよな。今はステータス的にはちょうどいいだろう、やめとこう。
そうこう考えている内にゴブリンの数も10未満となり、逃げ始めた。
しかし、逃げた先には青の牙のメンバーがいた。逃げたゴブリンは易々と狩られたのだった。
「すごいな、君のスケルトンは!ステータスは高くないのはわかるが戦闘スキルが素晴らしい!」
ヤームが興奮気味に言ってくる。
当たり前だろう。最下層で何十年も漂っていたんだ。嫌でも強くなる。剣術とか知らんけど…
その後、俺たちはギルドにもどり報酬を受け取る。
アリアは明日も依頼に行くらしく、報酬を受け取ったあと新たなパーティーの募集をしばらく探していたが、なかなか見つからなくなったらしく、そのままギルドで夜ご飯を食べることになった。
アリアが注文した魚料理が運ばれてくる。
それにしてもいいのか?絶対家に晩御飯あるだろ、貴族の令嬢なんだから。
アリアってだいぶお転婆お嬢様だよな。
「おい、おい。嬢ちゃんも冒険者なのかぁー?」
狼の獣人だろうか。犬の尻尾と耳がついている男がアリアの前に来た。
なんか酒癖の悪いのが絡んできたな。
「だったらなんですの?」
「やめとけ、やめとけ!嬢ちゃんなんかすぐ死んじまうぞ!さっさと失せな!」
「なんですって!貴方失礼です!」
がしゃん!!絡んできた冒険者がアリアが食べていた料理をすべて腕で払った。
アリアは急に手を出して来た冒険者に驚き、腕で顔を覆い、恐怖で少し震えている。
「失せろって言ってるだろ。」
おいおい、さすがにやりすぎだろ。
俺はアリアの前に出た。
「あっ?なんだこのスケルトンは?お前の従魔か?はっ!ランクの低い従魔だなぁ!」
そう言って俺を殴りかかってきた。
それを俺はひらりとかわし、逆にその冒険者を転ばせる。
「おいおい、あいつアッシュじゃねーか?Aランク冒険者の!」「本当だ!ギルド「奇跡の剣」の主要メンバーじゃねーか。」
外野が騒ぎたした。こいつ有名な冒険者なのか?
「よくもやってくれたな!骨野郎!」
そう言って俺に再び殴りかかって来た。
むっ、今回は結構早いな。だが、避けられない程ではない。
ひらりひらりと攻撃をかわしていく。
「くそ!あたらねぇ。ならこれならどうだ。」
アッシュと言われた冒険者は小手をはめてその小手に魔力を流し始めた。
おっ、魔道具か?
どんどんとスピードが上がっていく。
ちなみにステータス的に当たれば俺はすぐにバラバラである。
やばいな。スケルトンのステータスだともう限界かも。
そう思い、とりあえず剣を抜く。
相手が殴った隙を捉えアッシュの腕を切る。
切り落とす勢いで振るったけど、ステータスがかなり離れているため、かすり傷をつけるだけとなった。
俺はさらにアッシュの攻撃を掻い潜りながら切りかかる。かすり傷を増やすだけで全く致命傷とはならないが、少しは痛いはずだ。
「そこまです。アッシュさん、やめてください。」
そう言ってアッシュと俺の間に1人の銀髪少女が入った。
「リーナ退け!」
「アッシュさんもうやめてください。」
剣姫リーナだ!と外野が騒いでいる。
剣姫?
「うちのアッシュがすみませんでした。」
そう言って銀髪少女が頭を下げる。
「おい、ふざけるな!まだ終わってねぇ!」
「いや、終わりだ。」
「あ、アルド!」
「奇跡の剣ギルドマスターのアルドさんだ!」
他の冒険者たちが腰を上げた。
「アッシュよ、お前は負けたんだ。」
「ふざけるな俺は負けてねぇ!」
「お前の一撃でそのスケルトンは死ぬだろう。だが、お前は当てられるか?スケルトンはいとも簡単にお前を何回も切り裂いていたが、もしもそのスケルトンの剣に猛毒が塗ってあったら?お前ともっとステータスが近かったら?その剣がもっといい剣なら?お前はもう死んでいるんだよ。」
「くっ!」
「生前はさぞや高名な剣士様だったのでしょう。」
リーナが俺にそう言ってくるが、生前はふつーのサラリーマンだ。
ーいや、別にそんなことないぞー
「「「喋った!!?」」」
あぁ、この反応たまらないな。
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