第6話 従魔対決
この少女は実はお金持ちだったようだ。
案内された家は貴族の豪邸だった。
「アリアお嬢様!また1人でダンジョンに潜ってらっしゃたでしょう!いけません、せめて当家の騎士を護衛としてお連れください!なにかあったらどうするのです!?」
執事のような初老の男性が少女に叱りつける。
この子アリアちゃんって言うんだ。
「はいはいー。それより見て!この子テイムしたの!すごいでしょ!すごい頭賢いのですよー!」
はしゃぎながら俺を紹介する。
「…スケルトンですか?少し臭いますね。お前たちこいつをすぐに綺麗にしなさい。装備もこんなボロじゃなくて当家の装備を渡しなさい。」
そして俺は、メイド達に連れられ庭でゴシゴシと洗われた。気持ちいいー。あれ、おれこっちに生まれ変わってから風呂とか入ってねぇーなぁ。
…ダンジョンに温泉とか作っとこう。
「スケさん!明日は学校よ!みんなを見返してやるんですの!テイムを学んでる癖にテイムできなかった私をみんながバカにするんですの。ひどいですよね。」
アリアの部屋の大きなベッドに乗って、そう言って話すアリアにうんうんと頷いて返す。
次の日、俺はアリアに連れられて馬車で学校に向かう。もちろん、俺はウキウキだ。楽しみ!
異世界の学校かー!
アリアは馬車から降りると校舎に入り、自分のクラスの自分の席に着く。俺は隣で立っている。
これ学校というより城だな。
「あら、アリアさん。まさか魔物をテイムできたのですか?」
くすくすと笑いながら縦巻きの女の子が数人の女の子を連れてきた。
「そうですの!スケルトンのスケさんです!」
アリアは自慢げに俺を紹介する。
俺は紹介されたのでぺこりと礼をする。
「あっははは!皆さん聞きました?スケルトンですって!よくもまぁ、スケルトンをそんな自慢げに紹介できますこと。」
「す、スケさんはただのスケルトンではありません。すごく賢くて強いんですの!」
「へぇー。では、今日の授業で私の従魔と戦わせてみましょう?もちろん強いから大丈夫ですよね?」
ニタニタと笑いながら縦巻きは言う。
さっきから俺のアリアをバカにしやがって。やってやろーじゃねぇーか!
「そ、それは…」
「あら、やめときますの?」
「むぅ!スケさんなら貴方の従魔などけしょんけしょんですわ!」
「なら決まりね!今日の授業が楽しみですわー!」
高笑いをして取り巻きをつれて縦巻きは帰って行った。
よっしゃ!やってやるぜ!あんな小娘が使役できるのなんてどうせボブゴブリンとかだろ!?
ボコボコにしてやんよ!
「す、スケさん。スケさんならワイバーンとか余裕だよね。えへへ。」
えっ?従魔ワイバーンなの?
いや、スケルトンVSワイバーンは勝ち目見えないよ!?
俺、バラッバラにされちゃうんじゃない!?
そして授業の時間。従魔同士の模擬戦が行われた。
もちろん俺の相手は縦巻きのワイバーンだ。
うわ、ほんとにあんな小娘がワイバーン従えてるよ。
それもあのワイバーン口から火をちょろちょろ出してやる気満々だよ。
「ドラコちゃん、格の違いを見せつけなさい。」
「スケさん負けないで!」
仕方ない。DP使ってちょっと強化するか。
これいいんじゃない?
恐怖のオーラってスキル。レベルは5くらいでいいか。
「試合開始!」
審判の先生が開始の合図を出す。
グァー!!
ワイバーンが雄叫びを上げる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます