第24話 メイリンさんの身に何があったのでしょうか?

 メイリンさまは、日本人男性と結婚して帰化しています。

しかし、子どもが産まれてしばらくして離婚されたそうです。


たしか、お子さまは現在3歳の男の子だったはずです。


メイリンさまは、その子どもを女手ひとつで育てておられるのです。

その元夫は仕事もせずにお酒ばかり飲んでいたそうです。


酒場で奢ってくれる女性がいたらしく、メイリンさんという立派な奥様がいるのに、その女性と飲み屋街をうろうろしていたのです。

やがて、その女性と肉体関係ができてしまい、その女性の住むマンションに転がり込んでしまったというのです。


その女性は、夜の仕事をしていて高級マンションに住んでいるということですから、稼ぎはかなりのものなのでございましょう。

しかも、かなりの床上手な女性のようです。


「だからよ。あっちのほうがいいわけよ」

というのが、元夫の最後の言葉だったそうです。


メイリンさんは、大きく口を開けたまま元夫を見送ったというのです。

大声で何か言ってやろうと思ったのですが、あっけらかんと元夫が言うものだから、何も言い返せなかったそうです。


離婚は結婚よりもエネルギーを使うと、多くの人が言いますが、メイリンさんのようにあっさりと離婚されるケースもあるようです。


 お客さまが途切れました。


相変わらずお客さまは次々と入店されますが、商品を選んでいたり、商品について話し合ったり、あるいは、大声で笑ったりして、精算されるお客さまがいなくなりました。

「これこれ、このスイーツ、テレビでやってた」という若い女性の声が店内に響きます。


わたくしはこのチャンスを逃さず、メイリンさんのところへ行きました。


「店長、何かあったんですか?」

 とわたくしはお聞きしました。


「いや、別になにもありません」

 メイリンさんは、そう言って悲しそうにうつむくのです。


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