第22話 今日がクリシュナさまの最後の日です

 お客さまが途切れません。

次から次へとお客さまが入店されるのです。


5人くらいのグループで入ってきて、大声で話しては大笑いするお客さまや、1人の酔った女性を2人の女性が両脇から支えながら店に入ってきたり、さまざまなお客さまがおられます。


3台のレジ機がフル稼働していました。

こんな忙しい状態が深夜まで続くのでしょうか。深夜担当のスタッフは大変だなと思いました。


 オーナーさまは他の店舗の助っ人に向かいました。


他店舗も、同様に忙しいみたいです。

現在、店長のメイリンさんとマービーとわたくしの3人ですが、わたくしは22時で退勤する予定になっています。


実はメイリンさんもワークシフト上では22時にあがるようになっていますが、店長ですから、引き続き勤務することを覚悟されているようです。


 クリシュナさんがやってきました。

22時から勤務するスタッフです。

鼻が高くて美しい瞳をしたハンサムなネパールの青年です。


祖国へ帰ってコンビニ店を開業するのが夢だと話しておられました。

すでに資金は貯まっていて、足りない部分は両親が出してくれるのだそうです。


「夢は目の前です。来年は、国に帰って具体的に進めていきます」

と目を輝かせながらおっしゃっていました。


実は、今日がクリシュナさんの最後の日です。


明日からは帰国の準備に入り、1月中旬にはいよいよ引っ越すのだそうです。

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