第4話 わたくしはクエスチョニングだそうです

主人はわたくしよりも2回り上の57でございます。


主人は大学の助教で、リーダーシップ論や組織論の研究をしておりました。


ダイバーシティやインクルージョンに関する論文も発表しておりますが、いくら頑張ってもブランド力のない大学は経営が厳しいらしくてリストラされてしまったのでございます。それで、主人の実家のある沖縄に引っ越したのです。

 

その主人が「君は君のままでいいんだよ。君らしくすればいいよ」と言ってくださいました。


ですから、ストレートパーマも髪染めもやめ、赤い縮れ毛で過ごすことにしたのです。服装は、いまでもどのようなものを着ればいいのかわかりません。


ですから、男女どちらでも着られるデザインのコンビニの制服がわたくしにはありがたいのでございます。


そもそも、わたくしは、女なのか、男なのかわからないのです。


LGBTQのQにあたるそうでございます。


クエスチョニングという属性になるのだそうです。ですから、外見では、男か女かはわかりません。


わたくし自身もわからないのですから。

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