第18話 教えて

 片付けが終わってから、ボク達はログハウスから出ると、プレートを空室にしてからこどもの森の中心街に向かっていった。

 中心街に行くと、こどもの森と言うだけあって、子供達がいっぱいいる。

 皆遊んだり、仕事のようなものをしている子もいる。

「あ、旅人さんだね! いらっしゃい。ゆっくりしていってね!」

 そう声をかけてくれた少女は笑顔を見せるとすぐにどこかへ走って去ってしまった。

 なんだか忙しない……。

「ねえねえ、ぺんぺん。ここの子達は大人じゃないんだよね? なのにどうして働いていたりするの? お金もないのに」

「することがないから暇だし、楽しいからやっているそうですよ。嫌なこととか苦手なことは得意な子がやって、皆で助け合って生きているそうです。ちなみに大人になったらここにはお客としてなら居られるそうですが、住民にはなれないそうです。そうなると、大人になった子達は別の街に移住する人が多いとか」

「そうじゃない子達は、どうするの?」

「こどもの森の外に大人の街を作って、こどもの森を囲っているそうです。でも、こどもの森には接触してこないと……。何故かは、わかりませんが」

「ふうん」

 なんだか大人って大変そうだなぁ。

 でも、どうしてそこまでして子供達は大人をここから排除したがるのだろう?

 大人と子供が手を繋ぐ、そんな平和もあるんじゃないかなぁと、ボクはそう思う。

 そうしないのは、一体どうしてだろう……。

「不思議?」

「うん。とても」

 ボクはてっきりみーみに聞かれてるものだと思ってそう返事したけれど、なんだか声が違うということに気づく。

「大人と子供の話、聞きたい?」

 ボク達は後ろからする声の主の方を振り返り見る。

「こっちおいで」

 その子は男の子とも女の子とも思える、中性的な子だった。

 そしてボク達はその子に付いて行き、こどもの森の外に近いところにある一軒のログハウスに入った。

 その子は笑っている。笑いながら、椅子に座って足を組んだ。

「どうして大人がダメなのか、子供は子供だけなのか、知りたいんでしょう」

「そ、そうだけど……君は、一体誰?」

「名前なんて、あってないようなもの。でも、仮の名前でもあった方が君達にとって良いのであれば、作ろう。そうだなぁ。じゃあ、ヴァレンって呼んで」

 髪が真っ白な、ヴァレンと名乗るその子がボク達に笑みを見せると、ボク達が知りたいことを教えてくれるのだった。

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