第14話 アールヴヘイム【6】
そんなきゃらきゃらとさんざめく妖精たちに引っ張られつつ、
しかし私を見る周りの反応が妙だった件はこれで合点がいった。
要するに私が入ってしまった事で外見に変化が起こってしまったからなのだろう。
私だってすっかり変わってしまった里和ちゃんの外見には心底驚いたし、正直いまだに完全に受け入れきってはいないのだから。
そんなプチ暴露をしてくれた妖精たちだったが私の困惑を全く気にも留めず、
「このコ、エルフだからかな?」
「このコ、エルフだからかもね!」
「そう、エルフなんだからみんなで踊ろう!!」
「みんなで踊ればすぐに
彼らに導かれ小高い丘の上に行くと、そこには淡くクリーム色に光る輪が形成されていた。
目を凝らしてよく見れば、その輪は輝く無数の蛍光カラーの
わー、めっちゃ綺麗……!
もしかしてこれがフェアリーリング?
私はその幻惑的な光景に感嘆しきりだったのだが、そんな私をよそに、私の体は艶麗なエルフが奏でるリュートの
げ、体が勝手に動くんですけど───
体の中から無数の声が湧き上がるように、私は黙ってその衝動に身を任せてみる。
誰も彼もが
踊れ、踊れ───!
心の
血の
あるがままの
ヴィンセントさんのリュートから、そんな
ふと気づくと、カイル某が
その面白い彼の表情に思わずにやりと笑みが
人のこと馬鹿にするから───
すると、なぜか黒髪の青年の浅黒い顔が
あれれ……意外に可愛いとこ、あるじゃん。
自分の言った事にしっぺ返しされたんだから、当然だよね。
そんな私の前に詠唱を続けたままの里和ちゃんがにこやかに割り込んてきて、なぜか私の手を
えっ、えっ?
戸惑いながらもなぜか私の体は踊るのを止めない。
気のせいかフェアリーリングの魔力量が一気に上がったように感じたのだが、正直今はそれどころではない私であった。
ちょ、流石に色んな意味でこれは冗談キツイ───!
目が回る……!!
だけど止められない、止まらない───主に里和ちゃんが止まってくれる気配が、ない。
私が気が遠くなる寸前で、ようやく里和ちゃんが止まってくれたかと思うと意気揚々と高唱した。
「我は
私が肩で息をしながらその彼女の足元でへばっていると、回転する視界の先にあった
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます