第9話 アールヴヘイム【1】
妖精たちの不思議な理想郷・
「あー、もうちょっと常若の国、見たかったなぁ」
「まぁ、
「………」
毎度意味ありげな言葉を投げつけてくる美女エルフに、私は横目でジロリとその
すると、あ〜忙しい忙しいとか言いながら、そそくさと可愛らしい植物の意匠を施してある木製の扉から出で行ってしまった。
ちっ、また逃げた!
私が何か肝心な事を
絶対にからかってる!
そんな訳で
既に築200年経つらしいのだが、
腕利きのドワーフ達が以前里和ちゃんに助けてもらったお礼にと、たった一日で建ててくれたらしい。
そんな意外に
そして、なぜ私だったのか?
やはり例の約束とやらのせい、なんだろうか?
それにしたってなぁ……。
本来は複数人の魔導師や魔法使い達が、交代しながら数日かけて詠唱するような難解な召喚の術式なのを、彼女
マジおっかな……!
そう考えるとあの目つきの恐いカイル某とやらが激怒するのも判る───つか、彼はマーガレットさんの恋人かなんかだったんだろうか?
更にそう考えるとヴィンセントさんって、妹さんをおかしな
わざわざ
実際行き当りばったり過ぎるからなんだろ、全く……。
アールヴヘイムの澄んだ空気の満ちる森の中を歩きながら、この先に待ち受けているであろう面倒事に、私は内心深く溜め息をついていた。
気づくと、
と、言うか、それしか出来なかったと言うか。
あれから美女エルフの回復魔法で驚くほどすっきりさっぱりすっかり全快した私は、
そう、何を隠そう───って、見るからにそんな感じだったけど───ヴィンセント・グリフィス・オハラ氏は、アールヴヘイムの現エルフ王であるアーロン・ライオネル・オハラ陛下の
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