第6話 ティル・ナ・ノーグ【5】
「じゃ、皆を放置プレイしたお
里和ちゃんと思しきエルフがテヘペロした後、手を振りながら一瞬にして私達の前からかき消える。
その信じられない光景に私はびくりとし、また思わず上体を起こそうとしてしまったのだが、途端に体に
ったく、何だ、あの無駄にあざとい態度は!
しっかし、この体の痛みって、一体……?
「だ、大丈夫ですか!? メグ……じゃありませんね、えぇっ……と、カヅキ、さん───?」
二人きりになってしまったメルヘン成分過多の室内で、多少ドギマギしながら私はちらりと美声の主に視線を移した。
いっやー、見れば見るほど綺麗な人だなぁ。
我知らず
まさかなぁ……里和ちゃん、渋好みだったハズだし。
あ、もしや、エルフだから1000歳とか優に越えて───たとしても、俳優の△林薫さんとは全然タイプが違うスーパーウルトライケメンだしなぁ。
考えても
「
「では、真夜さん。無理しないで。私はヴィンセント・グリフィス・オハラと申します。リワの話だと貴方は僕らとは違って、彼女の魔法で無理矢理
うーん?
さっき美女エルフが同じような事言ってたけど……。
「それってどういう───?」
「普通はこんな
何ですと?
「えーと、ソレって、私の他にも同じような人とか」
「貴方が
うん?
「
「はい、今回の『対人入魂魔法』の
「……ん〜??」
つまり、何かで
「
「
それもまた絵になるのだから美形は得だ。
失敗したらどうするつもりだったんだ、あのムスメは……。
つか、失敗したらどうなってたんだろ?
また背筋がうそ寒くなる。
と、それより───
「あの〜……私、ずっと
すると相手は綺麗な金眉を
「真夜さんには申し訳ないが、恐らく貴方は
その
う? 妹!?
この体、この人の妹さん───!?
うわ、私にこんな美しい兄が出来るとは……じゃなくって、やっぱ元には戻れないんだ……。
つか、ニウ・ヘイマールって、
薄々そうじゃないかとは思っていたが、自分が思ってる以上に自分がショックを受けてるのを遠くの方で感じていた。
とは言え、現状が異常過ぎて実感はまだまだ追いついていない感じだった。
「……なぜ、こんな事に?」
思わずそう呟くと、
「本当に真夜さんには謝っても謝りきれません……原因は私の父にかけられそうになった死の
はぁ、とかなり気の抜けた返事をしながら、なぜか私は全く別の事を考えてしまっていた。
ってか、『対人入魂魔法』って名前、地味にダサくない?
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