第5話 パッツォ・ファンファーノ・ディ・ムジカ 

前回、夢幻のアルバムで沢山のサポートメンバーが参加して、

プログレオールスターズみたいだと書きましたが、

ネクサス、クライムレーベルに在籍していたメンバーを集めて

製作された企画盤の事を思い出しました。


ユニット名は、 Pazzo Fanfano di Musica。

日本語に訳すと「狂気じみた饒舌家の音楽」

略してPFMは、間違いなく狙ってやっているでしょうね。


PFM の正式名称は、「Personal Financial Management」

……、違う、これじゃない。個人財務管理は関係ないし。


では改めて。PFM の正式名称は、「Patient Flow Management」

……、これも違う。医療で入院から退院までの支援ともちゃうねん。


今度こそ、PFM の正式名称は、「Premiata Forneria Marconi」

イタリアが誇るプログレグループです。

日本にも根強いファンがいます。難波弘之さんがその代表かと。

グループ名の意味は、「素晴らしいパン屋マルコーニ」だそう。

なんじゃそりゃって感じですね。

しかしPFMだけだと検索がかかりにくいですね。


このPFM、エマーソン、レイク&パーマーのグレッグ・レイクの

目に止まり、イタリア語の曲を英語に直したりして、

世界に向けてデビューしています。

世界デビュー作の「幻の映像」というアルバムでは、

キング・クリムゾンのピート・シンフィールドが

英語詞と一部のプロデュースをしています。


初期の頃は日本でも注目されていて、1975年に

初来日公演をしています。それは素晴らしいライブとは聞きます。

ではどれくらい素晴らしい演奏だったのか、

「ウィリアムテル序曲」を演奏するとこんな感じです。

https://www.youtube.com/watch?v=lnVzd2lUPew


2002年の再来日公演からですが、素晴らしいの一言でした。

因みに全盛期のライブはこんな感じです。ヤバいです。

https://www.youtube.com/watch?v=J7ZnVLMP51A



っていうか、前置きが長すぎました。やっと本題になります。

(当時のネクサスのプロデューサーのT氏の影響だな)


メンバーですが、

荒牧隆、杉本正、川口貴、上野知己、桜井信行、(以上アウターリミッツ)

宮武和広(ミスターシリウス)、林克彦(夢幻)、

徳久恵美(マグダレーナ、テルズシンフォニア)、桜庭統(デジャブ)、杉本恭子。

作曲のみに加わったメンバーは、塚本周成(アウターリミッツ)、

永井敏巳(ヴィエナ)、平山照継(ノヴェラ、テルズシンフォニア)、

藤井卓(マグダレーナ)。 敬称略  


1989年発表。

豪華なメンバーが集まって演奏されるのは、生楽器を中心とした、

クラシカルな雰囲気の優雅な音楽。多くのメンバーがそれぞれ曲を持ち寄ったため、

統一感は無いかもしれないですが、なかなかいい曲が揃っています。

短い時間の小品もありますが、長めの曲もあります。

ロックファン向きというよりは、クラシックが好きな人には気に入るかも。

杉本正さんは、神奈川フィルでコントラバスをしていましたし、

川口貴さんは、前回書いたように日本フィルで第2ヴァイオリン担当です。

徳久さんのボーカルは、ページェントの永井さんほどの力強さはないですが、

クラシックの香りがするような音楽には、非常に合うと思います。

ラストの曲である『アンニヴェルサリオ』、途中も盛り上がりますが、

最後に静かに幕を閉じる感じが好きですね。

https://www.youtube.com/watch?v=X47XLfs3jog


他にもミスターシリウスのアルバムに入っていてもおかしくない

『囁く花』。フルートの音色を活かしています。

https://www.youtube.com/watch?v=NiVowqEUAg0


後は、のちに「ヴァルキリー・プロファイル」等のゲーム音楽で有名となる

桜庭統さんの作曲となる『フラゴローゾ」辺りは気になる所。

https://www.youtube.com/watch?v=gePQ9HodD34


企画物としては、なかなか面白いアプローチだとは思います。

願わくば、このメンバーで激しい曲も聴いてみたかったのですが、

それは野暮っていうものでしょうか。


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