第3話 夜来香、浪漫座、浪漫座別館 その他

『ページェント』を脱退した(追い出された?)中嶋一晃さん、その後はどうなったのかといいますと、更に自分の好みの世界に傾いたグループを生み出したのでした。


 まず結成されたのが、『夜来香』。中嶋さんが好む日本的な音に特化したバンドといえます。なかなか説明が難しいのですが、一番わかりやすいのが、NHKの朝の連続テレビ小説で放送されていた『ブギウギ』。笠置シズ子さんや淡谷のり子さんをモデルにした話ですが、この中に出てくる歌をイメージしたようなものが演奏されています。勿論、『夜来香』は、李香蘭さんが歌っていた名曲から来ているのでしょう。


 https://www.youtube.com/watch?v=PP7sUO_w56I&t=698s


 まるでSP盤のようなクラシカルな音から始まるのは、昭和の初めの歌謡曲のようなメロディ。そして大木理沙さんにも引けを取らない外田直美さんのボーカル。中間の演奏部分はプログレしています。まさにジャケに書かれている『昭和モダンミウジック』ですね。おそらく好みは分かれるでしょうね。哀愁漂う曲が好きな人は是非。陰陽座のプロトタイプというのは言い過ぎかな?でも『セルロイドの空』の思春期版と言っていた『告白ボレロ』、これだけは拒否反応を示す人が多そうだ。


 そして『夜来香』は残念ながらスタジオアルバム1枚残したのみで消滅しました。

(正確には、デモ音源のカセットとかライブ会場で売っていた『正真正銘無修正』とCDに書かれているライブアルバムはありましたが)


『ページェント』のライブは体験出来ませんでしたが、『夜来香』のライブは体験出来ました。まぁ何と言うか、演芸場に来たような楽しさはありました。ライブ前には、メンバーがワザとらしく売り子をしに来たり、李香蘭さんの『夜来香』の歌が流れる中、メンバーが登場したと思ったら漫才みたいなものが始まったり、それでいて演奏は素晴らしかったりします。中嶋さんの大阪人特有の楽しませなければならないような精神を感じましたね。トークで笑わせつつもギターで泣かせる。これが中嶋さんの神髄かな。この世界観が好きなのは、自分が昭和が好きなアナクロな人間だからかもしれません。


 その後は、『浪漫座』、『浪漫座別館』というバンドを結成。『浪漫座』は、『ページェント』のカバーを中心に、『浪漫座別館』はオリジナルを中心にらしい。脱退したとはいえ、やはり『ページェント』は捨てられないという事か。


 https://www.youtube.com/watch?v=pI0xAOFDbz0


 それ以外にも、『Go To HongKong』 という男性声でページェントを演奏するような

 バンドとかやったりしていました。

(因みに19世紀にアヘン戦争が行われていた香港、「香港へ行け」というのは最悪の地へ向かう事。即ち「地獄へ落ちろ」という意味のスラングらしいです)


 https://www.youtube.com/watch?v=ehCI_xgQLFI&t=15s


 この頃は、自分も気軽に東京に行けるような状況ではなかったのでライブは体験出来ていませんし、CD類も買ってはいませんが、相変わらずの松竹新喜劇のようだと聞いています。そしてどこから探してくるのか、何人もの優れた女性ボーカルが所属していました。



 そして現在、中嶋さんはもうすぐ70歳を迎えようとしていますが、驚いたことに、未だ現役でライブをやっています。最近では、また新しいバンドである『デキゴコロ』の活動を開始しましたし。


 2024年6月23日(日)には、69歳ロック祭なるイベントも行うとの事。『夜来香』でボーカルをやっていた外田直美さんも参加するとの事だから、う~ん、見てみたい。更に『スターレス』の大久保寿太郎さんによるセルフカバーバンド、『シルバーウィング』も興味あったりします。行くのが可能なら行ってみたいなぁ。


 https://tiget.net/events/305808


 ※なお、『浪漫座』のメンバーである浜田勝徳さん(Ex テラローザ)の

 Youtubeチャンネルから『浪漫座』の映像が見れるので、興味のある方はどうぞ。


 https://www.youtube.com/@user-gc7ek2vc9f

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