『ユートピア』
「ユートピア…?それに神を名乗る女ですって?そんなの居るわけないでしょ。
神界から世界に干渉できるのはその世界を創った創造神様と、その創造神様の部下天使だけよ。
創造神様の記録には私以外の天使や神がこの世界に干渉した記録なんてないわよ。」
「違う、そいつは本物の神や天使じゃない。ユートピアの神は宗教団体の教祖だ。元はとてもとても美人なだけの一般人だった。」
「宗教団体?一体何を信仰しているのよ。神を名乗る女を信仰しているとでも?地上にこんな事をしているから碌でもない神と言う事だけは分かるわ。」
「あいつらが信仰しているのは神ではなく思想だ。神を名乗る女はその思想を信仰して宗教団体を作った創設者だから信者に神と呼ばれている。
その思想の名前は『ルッキズム』。簡単に説明すれば人を判断する時に内面を見ずに外見だけで判断する事だ。」
「何故そんな愚かな考えが此処まで蔓延りこんな状況になっているの。
ビューティー様は全ての生物がどんな見た目でも必死に生きて美しく輝ける様にとこの世界を創ったのに…。
そもそもビューティー様がこの世界を創った時にビューティフルと言う名前になった理由を石板と言う形で人類に伝えた。
それなのにビューティー様の考えとは違うじゃないですか!」
「まぁ色々あるが1番はこの世界の名前とその創造神様の名前だな。
創造神ビューティー様が創った世界ビューティフル。
あいつらはこの世界が出来た本来の理由を読んで歪んだ解釈をした。「外見が美しい者は内面や魂も美しい。」てな。
だからルッキズムが進んだ。その果てがこれだよ。
ユートピアに居るのはアイツを含めたイケメンや美人。地上に居るのは俺みたいな不細工やブス。
そして俺ら不細工やブス達は今日で死ぬ。ユートピアの連中によってな。
俺らはもう終わりなのさ。…すまん少し泣く。」
そう言うと猿魔は泣き始める。微かに「ごめんな、ごめんな。」と言う声が聞こえて来る。
猿のお面から涙が溢れる。猿のお面の表情はとても良い笑顔のままなのに悲しい顔をしていた。
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