第4話 底辺の日常

 俺はここでは底辺の底辺だ。

 S A B C D E F

 とランク分けがされた中で底辺のランク。

 Fランクのクラスに所属するのが俺。

 扱いなんてゴミ以下である。

 殴る蹴るは当たり前、骨が折れることだってしょっちゅうだ。

 それでも治っているのは沙良が毎度勝手に治してくれるからだ。

 まぁ、そのお陰で何度もボコせる便利なやつという認識になったんだがな。

 本当にありがた迷惑だ。


 何時も通りの授業を受けて放課後になる。


 何時も通り連中は俺のクラスに来て俺を校舎裏に連れて行く。

 場所に関してはあいつ等の気分によって体育館裏や屋上など場所が変わったりする。

 今回は安定の校舎裏。

 ただ1時間弱ひたすらリンチに遭う。

 俺は抵抗することを許されずひたすらボコされる。


「……うっ…」


 どうやら拳か蹴りか分からないがいいのが入ったみたいだ。

 肋骨がとても痛む。

 恐らく骨が逝ったんだろう。

 まぁ、胴体の骨が折れる感覚はどうにも慣れない。

 腕や足はもう慣れたがやはり慣れないところだと少し痛む。

 そうしてひたすら殴られていると時間はあっという間に過ぎていって気づけばあいつ等が帰る時間のようだ。


「ちっ、今日も面白い反応はねぇのかよ。

 テメェ等、そろそろ帰るぞ。」


 そうして奴らはこの場から立ち去っていった。

 少ししてから神奈 沙良がこの場にやってきた。


「本日もこっぴどくやられましたね。」


 そうして軽い指パッチンの音がなる。

 痛みが引いていき俺は体を起こす。


「感謝はしねぇよ。」


 何時も通りの言葉に沙良は


「そんな物期待してませんよ。」


 と少し呆れ気味に返してきた。

 どうやら本日は少しお疲れのようだ。


「どうした、なんか疲れてんのかい?

 珍しいもんだね。」


「はぁ、あなたは関係ないかもしれませんがNEOの試験があと4ヶ月後にあるのでその補修や訓練があったんですよ。」


 そういやそんなお知らせ聞いたような気が…

 まぁ、俺には関係のない話だから深掘りはしないが。


「まぁ、根詰めすぎないように気をつけるんだな。」


 それに対して沙良は驚いた表情をしていた。


「あなたには人を心配する気持ちというか心があったんですね。」


「お、お前切れるぞ?」


「ふふふ、嘘ですよ。

 まぁ、気持ちだけは受け取っておきますね。」


 そうして沙良はここを去っていった。

 俺も何時も通り家に帰り何時も通りの繰り返しだ。


 何時も通り学校に行き、何時も通り授業を受けて、何時も通りリンチに遭い、何時も通り沙良に治されて、何時も通り家に帰り、何時も通り依頼をさばき、何時も通り寝る。


 そしてまた最初からの繰り返しだ。

 しかし、今日は珍しく異変が起きた。

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