透明

言葉って不自由だ


どんなに心が動いても、決してその気持ちの全てを言い表すことは出来ない。


それはまるで12色しかない絵の具で「透明」を表現しようとするように、混ぜれば混ぜるほど、その色が分からなくなってく


春の夕日を受けて煌めく柔らかな雨の雫や

夏、照りつける日差しを受けて波紋を広げるプールの水面

秋のスッと真っ直ぐ透き通った街の音や

冬、ツンと鼻先を抜ける冷たい空気


そんな全てをキミに伝えたくて、でも僕の言葉ではどうしても足りないから、

「そんな僕が見てきた景色をキミと見たいんだって」、「そんなキミが見てきた景色を僕も見たいんだって」精一杯僕の12色のパレットの中、たった一色、混じりっ気のない飾らない言葉で伝えたるんだ、


「好きです」と。

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