あの日誓った親友との約束。俺が叶えてやるよ。

第1話 3月1日 高校入学 前編

「君だねぇ?ここら辺で人間襲ってるって吸血鬼は」

「ニンゲンは美味い、だからコロシテたべる」

「そうか、人間は美味しいんだぁ。どんな味するの?私人食べた事ないんだよねぇ刃君は?興味ある?」

「先輩、そんな事今関係ないでしょ。そして人の味なんて興味持つ方がおかしくないですか?」

「そんなことないと思うけどなぁ。人ってどんな味するのかって気にならない?ちょっと刃君食べさせてぇ」

「絶対に嫌です。」

「なんでぇ」

「先輩も俺も人間ですからね。普通人食べたいとか思うこと自体おかしいと思います。そしてここで頷いたら冗談じゃ済まない気がします」

「えー別にいいじゃん。ちょっと味見させてぇ」

「嫌です。俺は早く吸血鬼倒して学校に帰りたいです。」

「もう少し刃君ははしゃいでいいと思うけどなぁこんな美少女な先輩と(バディ)なんだからさぁ」

「そう言うの結構です。早くやりますよ。」

「OK〜帰ったら刃君味見させてね」

「だから、それは嫌だって言ったじゃないですか。」

そう言いながらも2人はいきよいよく武器を抜いた。

「行くよ〜刃君!」

「はい。先輩」

これは俺が入学式の後に起こった事である。



「ここが俺が今日から通う市都闇鴉高校(しと やみがらすこうこう)か」

俺剱崎 刃 (けんざき やいば)は日本にある有数の流派の特に上の5流家 (・天桜(あまざくらけ)・星龍家(せいりゅうけ)・草薙家(くさなぎけ)・獄閃家(ごくせんけ)・剱崎家(けんざきけ)の剱崎家次期跡取りである。だが俺はそんなものはいらない。

「俺は平和に普通に生きたいんだよ。吸血鬼なんか知らずにね」

「相変わらずまた無理な事言ってるね刃。」

「そんなことねぇよ龍海」

こいつの名前は天龍 龍海(てんりゅう たつうみ)俺の幼馴染で親友だ。龍海の家も元々は家の剱崎家に並ぶ名家だったらしいが20年前のある事件で家の剱崎家に吸収されたらしい。それから家で働いているらしい。

「だって刃のお祖父様は刃に家を継がせたいんでしょ?」

「継がせたいって言っても俺はまだ武魂(ぶこん)すらまともに扱えないんだぜ?」

「でも武魂なしの試合なら刃絶対負けないでしょ?」

「そりゃ俺も剱崎家の人間だからな」

「ならそのうち使えるようになるさ、出来るさ刃なら。誰も泣かなくていいそんな世界を作る事が」

「俺はそんな大層な物になりたい訳じゃない。ただ平和で普通に生きて行きたいだけだ。」

「それなら刃は自分の平穏無事な日々を作るために戦えばいいさ」

「逆にお前はどうなんだよ。龍海」

「僕か?僕はね、大事な人達が安心して暮らせるように戦うよ」

「お前は正義の味方だな」

「僕より刃の方が向いてるよ、正義の味方。だって君は」

ザシュッ ドタッ

は?ちょっと待て突然音もなく気配もなく現れた何者かが龍海を襲った。その犯人は吸血鬼だ。

「お、おい!何やってんだ?」

「・・・」

「おいって!お前何やってんだよ!」

「うるせぇガキだな、お前も殺してこいつと同じ道を辿ることになるんだ、大人しくしとけよ。」

「お前、き、吸血鬼か?」

「そうだと言ったら?」

「お前を倒してすぐに龍海を病院に連れていく

「お前にできるのかよ、武魂が使えないお前に何が出来んだよ。ばぁかクククッ」

「黙れよ、吸血鬼が俺の親友を返せよ」

「ほら、かかってこいよ。」

こいつは俺たちがさっき話してた内容を盗み聞きしていた。だから俺ではなく武魂の使える龍海を先に襲った。リスクが減るからだ、吸血鬼にとって武魂は脅威でしかない。それも下級吸血鬼なら尚更事前にリスクを潰せば自分だ殺られる事はないって考えやがったんだ。

「喰らえ」刃が振った剣は吸血鬼を捉えずに空を切った。

「ふん、そんな棒切れで俺に勝つ?まずお前が俺に攻撃を与える事すら無理な話なんだよ。」

「うるさい 黙ってろ」

「お前は武魂が使えないだけじゃなくて剣技その物がゴミだな」

「黙ってろって言ってんだろうが!」

「黙って欲しいなら黙らせて見ろや、」

吸血鬼の右足が刃の脇腹を直撃する。すると刃の身体は軽く飛ばされる。

「うっ、はぁはぁ」あばらが何本か折れているようだ。咄嗟に受け身をとってもこれじゃ意味が無い

「俺に、俺に武魂が使えれば」

(大丈夫、刃は使えるよ。だって君は僕にとっての正義のヒーローなんだから)

ハッとして龍海の方を見るが龍海は全く動く気配がない。

今のは一体

「あれ?まだ死んで無かったの?てっきりさっきので死んだかと思ったんだけどなぁ」

「こんなところで死ねるかよ。」

「でもお前もう立てないだろその身体だと」

「こんなの、どうってこと、ない」

「強がっても無駄だよ?お前さっきから息が荒いし」

「うるせえ」

「お前じぁ俺様には勝てないさだって俺様は吸血鬼6使徒が一人デーモンバサラ様なんだから」

6使徒だと?こいつ下級吸血鬼に見せかけて神鬼じゃねぇか。俺はどう足掻いたって勝てる相手じゃねぇ

「お、もう降参?」

ボゥ

「なんの音だ?」

「俺はお前を倒す。」

「お前その手に持っているものは何だ。お前は武魂が使えないんじゃ無かったのか。」

「あぁさっきまでの俺は使えなかったさでも俺はヒーローらしいからな。こんな所で倒れちゃいられないんでな」

「フン、たった今使えるようになってもどうせ俺には当たんねぇんだよ。」

「そこで待ってろよクソ吸血鬼野郎」

「かかってこい、ガキ」



前編終了







いかがだったでしょうか?今回書いた小説はコンテストに出そうと考えているのでご意見、感想よろしくお願いします。

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あの日誓った親友との約束。俺が叶えてやるよ。 @Kouga0509

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