第21話 黄色い魔法少女、現れる
私、イナミ
今日もシャノンと一緒に掲示板から依頼を探している。
「どれにする?」
「シャノンはね〜」
私とシャノンが掲示板から依頼を探していたら。
「あれ?イナミ?」
聞き覚えのある声の主が私に話しかけてきた。
「カリン?」
その声の主は私が知っている人物、カリンだった。
「久しぶりっ!元気してた?」
「今は元気だよ」
カリンは久しぶりに私に会ったので喜んでいる。
「イナミお姉ちゃん。誰?」
シャノンはカリンを知らないので私に誰なのかを聞いてくる。
「カリン、私と同じ魔法少女だよ」
「イナミとは学生の頃から一緒だったんだよ」
そう。
カリンは私が学生の頃からの仲である私と同じ魔法少女だ。
同じ魔法少女なので共通点があったりしたからか、仲が良く一緒に昼食を食べたり放課後に雑談したりした経験は今でも覚えている。
「それで…その子は?ってか勇者パーティーはどうしたの?」
カリンは私が勇者パーティーに入ったとこまでは知っているが、追放されたことと、シャノンのことを、知らないのでシャノンについて聞いてきた。
「勇者パーティーは…」
私はカリンに勇者パーティーを追放された話。そして、シャノンに出会った話を話した。
「追放…お疲れ様。イナミはよく頑張ったよ」
カリンは私の気持ちに同情してくれた。
「うん。でも今はシャノンがいるから大丈夫」
追放された日は辛かったけれど、その後にシャノンに出会って今があるので寂しくはない。
「シャノン、イナミお姉ちゃんに会えて良かった!」
私はシャノンの頭を撫でる。
「依頼探してた?」
カリンは私とシャノンが掲示板の前にいるので依頼を探しているのかと思っている。
「うん。今、依頼を探していたところだよ」
合っているので普通に答える。
「それなら〜私も手伝っちゃってもいいかな?」
カリンはどうやら私たちの依頼に協力してくれるみたいだ。
「本当?ありがとう!」
カリンは強いので頼もしい。
なので、カリンに一緒に協力してもらうことにした。
「それじゃあ、どれにする?」
「じゃあ…これ!」
私は3人でこなせられそうな依頼を見つけたので依頼の紙を剥がして依頼主がいるところにまで3人で向かった。
その依頼とは。
「綺麗にするよ!」
店の清掃だ。
私とシャノンは清掃の依頼はよく引き受けるが、カリンも加わると頼もしい。
「清掃ね。綺麗にするかっ!」
カリンはやる気満々だ。
「シャノン、綺麗にする!」
シャノンもやる気満々だ。
清掃を始めよう。
「お掃除〜お掃除〜」
シャノンは楽しそうに清掃している。
「楽しそうだね」
「綺麗になってくから楽しい!」
私はシャノンに聞いてみると楽しいと答えてくれた。
楽しそうに清掃するシャノンを見ながら清掃していると私も楽しくなってくる。
「お、2人とも良い!私もお掃除〜お掃除〜」
私とシャノンの清掃を見ていたカリンはシャノンの真似をしながら清掃をする。
このお陰からか良さげな調子で清掃は進んでいき。
「終わった〜」
清掃は無事に終わった。
「シャノン、頑張った!」
「頑張ったね〜」
私は喜んでいるシャノンの頭を撫でる。
「あ、じゃあ私も!」
カリンもシャノンの頭を撫でてみる。
「ありがとうございました。こちらをどうぞ」
「ありがとうございます」
そうして依頼主から報酬金が渡され、宿に戻ろうとした。
が、まさかの。
「助けてくれー!」
外で叫び声が聞こえた。
「え!?」
気になった私はそのまま外に飛び出した。
そこには。
「グォォォ!」
雪属性のイノシシのモンスター、スノウボアが街で暴れていた。
「大変!」
「シャノン、助ける!」
私とシャノンはマジックステッキを持った。
でもここで。
「いや、私が行くよ」
カリンが前に出た。
「カリン!?」
私はカリンは魔法少女なので戦えるのは知っていたが、ここで戦うのはあまり予想していなかったので少しだけ驚いた。
「見てて!」
そうしてカリンはマジックステッキを持った。
「マジックアンドチェンジ!」
カリンは変身した。
変身後のカリンの服は黄色い。
「はっ!」
カリンは、そこから飛び跳ね、スノウボアの前に立ち、マジックステッキを構えた。
「いけ!」
カリンはマジックステッキから火魔法を放った。
「グゥゥゥ!」
スノウボアにカリンの火魔法が効いている。
「イナミお姉ちゃん!シャノンも戦う!」
「そうだね!」
私とシャノンも戦えるのでマジックステッキを持ち。
「マジックアンドチェンジ!」
2人で変身してカリンのところにまで走った。
「カリン!」
「2人とも!?どうしたの!?」
カリンは私とシャノンが来た理由を聞いてくる。
「私とシャノンも変身して戦えるからさ。一緒に戦おう!」
「シャノン、戦える!」
カリンに来た理由を簡単に説明する。
「分かった…じゃあ、3人で!」
「うん!」
私とシャノンとカリンはスノウボアの前に立ち、マジックステッキを構えた。
「カリン…シャノン…ビーム、使える??」
私はカリンとシャノンにビームを使えるかどうかを聞いてみる。
「いけるよ」
「うん!」
2人とも使えるみたいだ。
「じゃあ3人でせーのでビーム、使うよ!」
「分かった!」
「シャノン、せーのでビーム使う!」
そうしてスノウボアがこちら側に向かってきた瞬間を狙い。
「せーの!」
私とカリンとシャノンはマジックステッキを構えてスノウボアに向かってビームを放った。
「グァァァ!」
スノウボアは倒された。
「倒したよっ!」
私たち3人で喜ぶ。
するとそこに。
「あ、いた!先輩!」
誰かの声が聞こえた。
「あ」
カリンが反応した。
どうやらカリンに用があるみたいだ。
「ミレイ…」
声の主はミレイという人物だった。
そういえば学生の頃にいてカリンとよく一緒にいた記憶がある。
「探しましたよ。依頼〜って適当にいなくなっちゃって…行きましょう」
ミレイはカリンと共にどこかに行こうとした。
「ま、まぁそういう訳だから…またね」
そうしてカリンはミレイと共にどこかに行ってしまった。
「行っちゃった…」
私とシャノンは、ただその様子を見ているだけだった。
「イナミお姉ちゃん、カリンお姉ちゃんには、また会えるかな?」
「カリンなら…また会えるんじゃないかな?」
「また会いたいっ!」
私とシャノンは今日のカリンについて語り合いながら宿に戻ったのだった。
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