第18話 シャノン、街を綺麗にする

 私 イナミ

勇者パーティーから追放された魔法少女だ。


 今は同じ魔法少女のシャノンと一緒に街の掲示板を通して依頼をこなしていって報酬金を貰い、生きている。


「さて。今日も行こっと!」


 私とシャノンは宿に泊まって暮らしているので宿から出ようとした。


 が。


「お客様!今、外は危ないです!」


「危ないって?」


 何故か宿で働いている人から警告された。


 一体外で何があるのだろう?


「外を見てください」


「外?」


 気になって私は外を見た。


 すると外は。


「え!?」


 泥で埋め尽くされてしまっていた。


「これはちょっと…」


 何があったのかは知らないが普段から私を支えられてくれている街がこんなことになってしまっているのは見ているだけでも悲しくなる。


「イナミお姉ちゃん」


 シャノンも外を見ている。


 ここでシャノンは。


「シャノン、街を綺麗にする!」


 シャノンはこう言った。


「そうだね…綺麗にしよっか!」


 泥まみれなら綺麗にすれば良い。

私はシャノンと共に街を綺麗にしようと決めた。


 で、私とシャノンは外に出て街の掃除を始めた。


「大分だね…」


「うん…」


 宿の窓から見るだけでは分からなかったが、実際に外に出てみると思っていた以上に街が泥まみれになってしまっていた。


 こうなった理由を知りたいが、綺麗にする方が先だ。

掲示板だけではなく、店だったり宿だったりとこの街に対してはいつも感謝の気持ちを抱えているので。


「私はここ綺麗にするからシャノンは向こう綺麗にしてくれる?」


「うんっ!シャノン、頑張る!」


 私とシャノンは掃除道具を持ち、掃除を始めようとした。

シャノンには私が見える範囲での場所の清掃を頼む。


「始めるよ!」


「シャノン、始める!」


 こうして私とシャノンの街の清掃が始まった。


「ここをこう綺麗に…」


「えいさ!えいさ!」


 私とシャノンは清掃を頑張り、街を綺麗にしていく。


「あの2人頑張ってるな」


「私たちも手伝いましょ!」


 私たちの清掃を見ていた街の人々は続いて掃除道具を持って清掃を始めた。


「皆、ありがとう!」


「ありがとー!」


 一緒に協力してくれる人が増えたので私とシャノンは街の人々に感謝した。


「良いって良いって!」


 街の皆で協力して清掃をしていくので泥まみれだった街が段々と綺麗になってきた。


「もうすぐだよ!シャノン!」


「うんっ!」


 が、ここでまさかの。


「せっかく汚してやったのに…何やってくれるんだよ?」


 何かの声が聞こえた。


「誰!?」


 私はその声に反応した。


「俺はドロヌリン、この街の泥を塗るモンスターだ!」


 声の主はドロヌリンという名前のモンスターだった。


「あの…せっかく皆で綺麗にしたんだから汚しに来ないでくれるかな?」


 一応話を聞いてくれるか聞いてはみる。


「俺は汚すのが好きなんだよ。文句あるのか?」


 話は通じなかった。


「じゃあ戦うしかないみたいだね。いくよ!」


「うんっ!」


 私とシャノンはマジックステッキを持った。


「マジックアンドチェンジ!」


 そして私とシャノンは変身した。


「魔法少女?んなもん知るか!」


 ドロヌリンは手から泥を出した。


「きゃっ!」


 その泥が変身したシャノンの服についてしまった。


「あー!汚れた!この服可愛いのに〜」


 シャノンは服が汚れてしまったのでかなり嫌がっているし怒っている。


「傑作だなぁ」


「よくもシャノンをっ!」


 私はドロヌリンに火魔法を放った。


「俺には無効だ」


 ドロヌリンに火魔法は効かなかった。


「じゃあっ!」


 雷魔法も使ってみる。

けれど。


「それがどうした?」


 雷魔法もドロヌリンには効かなかった。


「強い…」


 思っていたよりもドロヌリンは強かった。


「次は俺の番だ!」


 ドロヌリンは私に向けて泥を放ってきた。


「しまった!」


 私の服に泥がついてしまった。


「わぁ…泥…」


「見事!見事!」


 ドロヌリンは私の服が汚れたことが嬉しいからかはしゃいでいる。


「どうすれば…あ、あの魔法!」


 ドロヌリンを倒せそうな魔法を思いついた。


「シャノン!」


「何?」


 私はシャノンに小声で作戦を話した。


「イナミお姉ちゃん、それなら倒せそうだね!」


 シャノンは私の作戦の案に乗ってくれた。


「なんだ?」


 ドロヌリンは疑問を抱く。

今だ。


「へへっ。くらえ!」


「くらえー!」


 私とシャノンはドロヌリンに向けて水魔法を放った。


「そ、その魔法は!?」


 ドロヌリンは水魔法の力で弱ってきている。


「勘弁してくれ!水魔法だけは!」


 ドロヌリンは力が弱くなってきている。

だが。


「あれ?」


 水魔法の威力が下がってきた。


「あっ!」


 思い出した。


 魔法少女の魔法の力は変身後の服の魔力によって扱うことができる。

今、その服がドロヌリンの泥によって汚されてしまっているので魔法の威力が下がってきてしまっている。


「へっ。大したことないな」


 ドロヌリンは余裕の表情を見せる。


「ど、どうしたら…」


 どうしたらドロヌリンを倒せられるのか?と私は焦っていた。


 けれどここで。


「水が必要なんだろ?」


 街の人たちが水を持ってきてくれた。


「何!?」


 まさかの展開にドロヌリンは驚いている。


「うおぉぉぉっ!」


 街の人たちは全員、ドロヌリンに水をかけた。


「シャノン!」


「うんっ!」


 私とシャノンもドロヌリンに水魔法を放った。


 そして


「俺は泥を塗るぅぅぅ!」


 ドロヌリンは倒された。


「倒したよ!イナミお姉ちゃんっ!」


 シャノンはドロヌリンを無事に倒すことができたので喜んでいる。


「そうだねっ」


 私も喜んでいるシャノンの姿を見て安心する。


「皆さん、ありがとうございました!」


 街の人たちの協力があってドロヌリンを倒すことができたので、私は街の人たち全員に感謝する。


「良いって!」


「そうだよ。街を守ってくれてありがとう!」


 街の人たちからも感謝された。


 その後、シャノンと街の人たちと一緒に清掃をした。


 街は綺麗になったのだった。

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