第16話 シャノン、海に行く
私、イナミ
今日もシャノンと一緒に掲示板から依頼を探す。
「どれにしようかな?」
今日はどんな依頼を引き受けようかと依頼の紙を見ながら探す。
「シャノンはどれにしよう?」
シャノンもどんな依頼が自分に合っているかどうかを探している。
「あ、これ!」
海の見張りの依頼の紙が貼ってあった。
海にはモンスターが出たりするからそれで見ていてほしいのだろう。
「海の依頼に行くよ」
「イナミお姉ちゃん、海って何?」
シャノンは海を知らなかった。
これは私が教えてあげなければ。
「海っていうのはね?海って広くて…うーん…」
そういう私もあまりよく説明ができない。
勇者パーティーにいた頃は何回か海にはいったので海自体は何なのかは知ってはいるのだが、説明ができない。
でも実際にシャノンに見てもらった方が早いかもしれないので海に行くとしよう。
「行ってみたら分かるよ。行こうっ!」
「うんっ!」
「の前に」
依頼の紙を取って私はシャノンと一緒に行こうとした。
けれどその前に。
「はいこれで大丈夫」
私は自分用とシャノン用の水着を購入した。
一応いるかもしれないので買っておいた。
「じゃあ今度こそ行こう!」
「うんっ」
そして私とシャノンは海に向かった。
「イナミお姉ちゃん!凄い!」
シャノンは初めて見る海に感動している。
「そうだね。凄いね」
私も初めて海を見た日、シャノンと似た反応をしたのはなんとなくではあるが、記憶に残っている。
「じゃあ依頼主のところまで行くよ」
私とシャノンは依頼主がいる場所まで歩いた。
「すみません。依頼で来たんですけど貴方が依頼主の方ですか?」
依頼主らしき人物に話しかける。
「はい。合っていますよ」
依頼主で合っていた。
「じゃあ私たちはここで海の周りを見ていますね」
「お願いします」
海でモンスターが現れないかどうかを私とシャノンはここで見る。
「イナミお姉ちゃん、暑い」
シャノンは暑がっている。
「うん…まぁそうだね」
私も暑い。
「何か冷たい食べ物買いに行こっか。依頼の紙には暑かったら途中で冷たい食べ物買いに行って大丈夫ですって書いてあったからさ」
私は依頼の紙に書いてあった文を思い出し、シャノンと冷たい食べ物を買いに行こうとした。
「うんっ!シャノン、冷たい食べ物食べたい!」
シャノンも冷たい食べ物も食べたがっているので2人で店まで行こうとした。
が、まさかのここで。
「キャー!」
「なんだあれ!?」
海の向こうから何やら大きな何かがこちらにやって来た。
「あれは…ウォーターオクトパス!?」
その何かは水属性を持つタコのモンスター、ウォーターオクトパスだ。
「あれは強いよ…」
海に住むモンスターの中でもかなり強いと言われているのがウォーターオクトパスだ。
そんな強さを持っているので、ここままではここにいる皆が危ない。
なので私はマジックステッキを持った。
「シャノンも!」
シャノンのマジックステッキを持った。
「変身するよ!」
「うんっ!」
私とシャノンは2人で並ぶ。
そして
「マジックアンドチェンジ!」
変身の際に必要な言葉を放ち、変身する。
「イナミお姉ちゃん、どうやって倒すの?」
「あー…そこだよね」
変身したのは良いが、どうやってウォーターオクトパスを倒すかどうかまでを考えていなかった。
相手は強いのでそれなりの作戦がないと倒せなさそうだ。
「イナミお姉ちゃんっ!」
「わっ!」
ウォーターオクトパスの足がこちらに向かってきた。
危ないので私は避けたが、地面にウォーターオクトパスの足が着く音がかなりの巨大だったので、もしあれに当たってしまっていたら?と思うと言葉が出ない。
「イナミお姉ちゃん、どうするの?」
「うーん…」
このままでは海にいる皆が危ないので早く倒したいが、ここで焦ってしまっては私もシャノンも海にいる皆も危なくなってしまうので慎重にならなければならない。
「よし、シャノン!手分けして飛ぼう!」
「うんっ!」
魔法少女は変身したら飛べる。
なのでこれを使った作戦を実行する。
「こっち!」
「シャノンはこっちだよ!」
私とシャノンと手分けして、私は右でシャノンは左と飛んで移動する。
とにかく速く移動し、一直線だけではなく斜めだったりと、様々な取り方をする。
「イナミお姉ちゃん!なんか迷ってる!」
ウォーターオクトパスは私たちがバラバラに飛んで移動するので、困惑している。
私が考えた作戦は狙い通りに進んでいる。
「よし、シャノン!どれでも良いから魔法を!」
「うんっ!シャノン、魔法使うよ!」
シャノンはそこから風魔法と火魔法を使ってきた。
「私も!」
私はここで雷魔法を使う。
「グググ…グオォ…」
ウォーターオクトパスは弱っている。
ビームを使うなら今だ。
「今だよ!」
「うんっ!」
私とシャノンは横に並んでマジックステッキを構えた。
そして
「せーの!」
2人で合わせてウォーターオクトパスに向けてビームを放った。
「ググオォォォ!」
ウォーターオクトパスは倒された。
「やったねイナミお姉ちゃんっ!」
シャノンはウォーターオクトパスを倒せたので喜んでいる。
「そうだね!」
ウォーターオクトパスを倒せたので私たちは下に降りる。
「2人ともありがとう!」
海に来ていた人たちが拍手してくれた。
「シャノン、頑張ったよ!」
「よく頑張ったね。シャノン」
「イナミお姉ちゃんだって頑張ってた!」
「ありがとう。シャノン、皆!」
私はシャノンがはしゃぐ姿が可愛かったのでその場で頭を撫でてあげた。
「お疲れ様でした。これ、報酬金です」
依頼主は報酬金を渡した。
「ありがとうございます」
私はその報酬金を受け取り、シャノンの方を向いた。
「シャノン、せっかくだしさ…遊んでこ?水着持ってきたし」
「やったー!シャノン、遊ぶ!」
海に来たんだし遊んでいこう。
「イナミお姉ちゃん、どうかな?」
更衣室で私とシャノンは水着に着替えた。
シャノンの水着姿は似合っている。可愛い。
「似合ってるよ…シャノンの水着姿、可愛いね」
「ありがとうっ。じゃあ行こうっ!」
私とシャノンは準備運動を済ませて砂浜まで走った。
で。
「イナミお姉ちゃん!こっちこっち〜」
「は〜い」
シャノンは海に足を入れたので私はそこについてきた。
「冷たくて足が気持ちいい〜」
シャノンは海を満喫している。
「シャノン〜」
ここで私はシャノンの名前を呼んだ。
「どうしたの?」
シャノンは私の方を向いた。
「えいっ!」
私はシャノンに水をかけた。
「やったな〜えいっ!」
シャノンも私に水をかけてきた。
この後も私とシャノンは海で遊んだ。
「イナミお姉ちゃん…」
シャノンは戦って遊んだからか眠ってしまった。
なので私はシャノンをおんぶしながら宿に向かった。
「イナミお姉ちゃん…」
シャノンは何か喋っている。
寝言だろうか?
「大好き…」
「え?」
シャノンの方を向いたが、寝言だった。
「…寝言か」
寝言でもシャノンからそう言われて私はとても嬉しかった。
シャノンとの思い出がまた増えたのだった。
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