第10話 シャノン、色塗りをする
私はイナミ
今日も街の掲示板から依頼を探す。
「今日はどれにする?」
「今日はね…」
2人でできそうな依頼を探していた。
すると見つかった。
「これにしよう」
私は道具屋の建物の色塗りの依頼を選び、紙を剥がした。
これならシャノンと2人で、できそうだ。
「じゃあ行こう!」
私とシャノンは道具屋に足を運んだ。
「では、これで色塗りをお願いします」
「はい」
「はーい」
依頼主は塗る用の色を私とシャノンに渡した。
これで道具屋の建物の色を塗っていこう。
「この紙に書いてある場所に同じ色を塗っていけば良いからね」
「分かった〜」
どこにどの色を塗れば良いのか事前に書いてある紙を依頼主からもらったので、その通りに色を塗っていけば建物の色は良い感じに仕上がるだろう。
「ぬ〜りぬ〜り。こう?」
シャノンは色を塗りながら私に色を塗れているかどうかを聞いてきた。
「うん良いよ!」
シャノンは良い感じに濡れている。
この調子ならきっと依頼主も喜んでくれるはずだ。
「やった!じゃあ頑張る〜」
シャノンはやる気が増したのかより張り切って色を塗る。
それにしてもシャノンは楽しそうに色を塗っているので見ている私まで楽しくなってくる。
「後もうちょっとだけど頑張れそう?」
私はシャノンにこのまま最後まで頑張れるかどうかを聞いてみる。
「頑張れるー!」
シャノンは元気そうに答えてくれた。
これなら大丈夫そうだ。
「分かった!じゃあ頑張ろうっ!」
私もシャノンと共に続けて色を塗った。
「そろそろ終わりそうだね」
「だね」
そろそろ色塗りも終わりに近づいてきた。
が。
「お、良い感じに塗られてるな」
誰かが道具屋の建物に向かって話しかけてきた。
「誰!?」
そこには筆みたいな姿をしたモンスターをした。
「我が名はイロヌリン!芸術を磨くモンスターだ!」
モンスターは名をイロヌリンを名乗った。
見るからになんかやらかしそう。
「で、何しに来たの?今依頼の途中なんだけど?」
私は何をしに来たのかが分からないので目的を聞いてみる。
「俺がこの建物を綺麗に色塗ってやるよ!」
イロヌリンは紙に書いてある色とは別の色で建物を塗ろうとしている。
「いや、そんなことしなくても私たちがするから!?」
「塗らせろ!こっちの方が良いに決まってる!巨大にイロヌリンのサインも書いてやる!」
絶対にイロヌリンに塗らせたらダメだ。
それだけは会話しただけで伝わってくる。
「お願いします。勘弁してください」
一応敬語でお願いしてみる。
「嫌だ。俺が塗る」
全く話が通じない。
「しょうがないね…シャノン、変身するよ!」
「うんっ!」
私とシャノンはマジックステッキを持ち、2人でこう言い放った。
「マジックアンドチェンジ!」
謎の光を放ちながらヒラヒラでキラキラで派手な服に身を包む。
シャノンは変身が楽しいからか。
「イナミお姉ちゃん!服変わった!」
「そうだね」
で、髪が変わり、着地する。
「変身したね!」
「うん」
シャノンは、はしゃいでいる。
そんなに変身が好きなんだろうか?
「絶対塗ってやる!」
イロヌリンは建物を塗ろうとしてくる。
が。
「させないっ!」
私は水魔法を放った。
「何っ!?」
イロヌリンは避ける。
「私もー!」
シャノンは風魔法を使ってきた。
「飛ぶ!?飛ぶ!?」
イロヌリンは上まで吹き飛ばされる。
「あれ?この後はどうすれば良いのかな?」
シャノンは魔法を使ったは良いものの、この後に何をすれば良いかが分からず私に聞いてくる。
「じゃあ…せーのでビーム使う?」
「うんっ!せーのにしよう!」
同じ技をシャノンと一緒に合わせて使う。
シャノンはこれがお気に入りみたいだし、私もこれが使いやすいのでシャノンと一緒に合わせてビームを使うことにした。
「それじゃあ…せーの!」
「えぇちょっと!?」
シャノンと一緒にビームを放つ。
「色塗りは…最高だぁぁぁ!」
そうしてイロヌリンを倒した。
「やったね!イナミお姉ちゃんっ。イロヌリンを倒したよっ」
「うんっ」
私とシャノンはそのまま変身を解除して元の姿に戻り、色塗りを再開する。
「そろそろだね」
完成に近づいてくるとシャノンは楽しみにしている様子を表情で見せてきた。
なんと可愛い笑顔を見せてくれるんだ。
「そうだね。この道具屋も色んな人たちに来てもらえたら良いね」
この道具屋、私たちが色を塗ったのもあるが、見る感じとても良さそうな道具屋なのでこれから先、色々な人たちに来て道具を買ってもらいたいと最後の締めを塗りながら思った。
「よし、完成!」
「イナミお姉ちゃんやったね!」
色を塗り終えて完成した。
「終わりましたか?」
依頼人が私たちの元にやって来る。
「はい」
実際に終わったので私はそのことを依頼人に伝える。
「途中、モンスター出たけどイナミお姉ちゃんと倒したよっ!」
「モンスター?出たのですか?」
「うんっ。なんかね?」
シャノンは途中で戦ったイロヌリンのことについて話した。
「そうでしたか。ですが、お2人のお陰で助かりました。ありがとうございます」
依頼人に私たちに向けて礼をする。
「道具屋を守りたいですからね」
「これ、報酬金です」
そうして私たちは報酬金を貰った。
「イナミお姉ちゃん…」
シャノンが私を見つめてくる。
シャノンが何を伝えたいかは既に私は分かっている。
「分かってるって。また絵本、買いに行こっか!」
「うんっ!」
そうして私たちは依頼人に礼を言ってから絵本を買いに本屋に行くのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます